5.5 WEBの仕組み

1 WEBの仕組み

皆さんが作成したWEBページは,インターネットに接続している世界中のコンピュータから閲覧することができます.ここでは,その原理について説明します.例えば,皆さんが自宅などからSFCのホームページを閲覧する状況を考えてみましょう.

コンピュータネットワークにおいて,サービスを要求するプログラムをクライアントと呼び,クライアントの求めに応じてサービスを行うプログラムをサーバと呼びます.ネットワークにおいて提供されているサービスには様々なものがありますが,メールやWWWなどがすぐに思いつく代表的なサービスでしょう.CNSにも,メールサーバやWEBサーバ専用のコンピュータがあります.

SOI情報処理1S(http://www.soi.wide.ad.jp/class/20000006/slides/04/img/15.png)より引用

皆さんが自宅からSFCのホームページを閲覧する場合,クライアントは皆さんが使っているコンピュータ上で動いているブラウザ(Internet ExplorerやNetscape,Mozillaなど)と呼ばれるプログラムです.また,サーバはCNS内にあるWEBサーバ専用のコンピュータ上で動いているWEBサーバプログラムです.クライアントであるブラウザがWEBページを表示するということは,WEBサーバから表示しようとするWEBページをクライアントのもとへ送ってもらうことであると言えます.皆さんがブラウザを起動すると,WEBページのあり場所としてURL(Uniform Resource Locater)を打ち込むテキストボックスがあります.ここで,皆さんはSFCのホームページのURLを以下のように打ち込むとします.

http://www.sfc.keio.ac.jp/index.html

URLによって,世界中のWEBページ(WEBサーバコンピュータにディレクトリ構造に従って保存されているHTMLファイル)を指定することができます.「http://」の後ろの部分がSFCホームページのURLで,wwwはWorld Wide Webを,sfc,keioは慶応大学の湘南藤沢キャンパスを,acは学術機関を,jpは日本を意味しています.sfc以下をドメイン名と呼び,人間が覚えやすいように意味のとれる文字列から成り立っていますが,コンピュータはURLそのものではなく,ピリオドで区切られた4つの10進数から成り立つIPアドレスによって,世界中のWEBページのなかの特定の1ページを指定することができます.また,httpとはHypertext Transfer Protocolの頭文字をとったもので,WEBページをインターネット上でTCP/IPに従って伝送するためのプロトコルです.

具体的には,クライアントはURLによって指定されたWEBサーバに対して,「〜というHTMLファイルをよこせ」という要求を出します.その要求を受けて,WEBサーバは指定されたHTMLファイルを探し,ファイルがあれば送り返します.クライアントであるブラウザは,送り返されてきたHTMLファイルを解釈し,ブラウザ上にWEBページとして表示します.仮に,サーバ側に指定されたHTMLファイルが存在しない場合,その旨をクライアントに送り,ブラウザ上には指定のページが見つからない旨を示すエラーメッセージが表示されます.SFCのホームページを閲覧しようとする場合,皆さんのコンピュータ上にあるブラウザは,CNSのWEBサーバコンピュータに対して,「index.htmlというファイルをよこせ」という要求を出します.サーバは該当するファイルを探し出し,ブラウザにindex.htmlというファイルを送り返します(これらのやり取りが,HTTP (Hypertext Transfer Protocol)というプロトコルに従って行われます).ファイルを受け取ったブラウザはHTMLを解読し,WEBページとして画面上に表示します.

以上が,簡単なWEBの原理です.実際には,もう少し複雑なプロセスがありますが,より深く学びたい方は先生やTA,SAに質問するか,各自で自習して下さい.