5.3 HTML

WWWについて

本授業の目的の一つはWEBページを制作することです。WEBとはWorld Wide Webの略で、インターネット上で行われているコミュニケーションの形態の一つです。インターネット上には相互に結びついた無数のWEBページが存在し、WEBページ上では様々な情報が発信されています。WEBページの大半はHTML(Hypertext Markup Language)という言語によって記述されており、文字や画像など、様々な情報を扱うことができます。皆さんが今利用しているオンラインテキストもHTMLによって記述されたWEBページです(HTMLについては次週で詳しく扱います)。ここでは実際に、HTMLによって簡単なWEBページを制作し、それをブラウザで閲覧するという作業を行います。その上で、HTMLによって記述された世界中のWEBページが、どのようにして皆さんのコンピュータの画面上に表示されるのかという仕組みについて簡単に説明をします。

HTML

ウェブで情報を公開するには,HTML(Hypertext Markup Language)という専用の文法を使用します.ウェブ上のウェブページの大半はこのHTMLという文法で書かれています.

HTMLで作成した文章を表示する場合,そのレイアウトやフォントはウェブブラウザによって決まります.皆さんが使っている Mozilla 以外にも Lynx や HotJava などブラウザの種類はたくさんありますし,同じブラウザでも設定によって表示の仕方は違ってきます.HTML で文章を書く際には,今自分が使っているブラウザで見える通りに,全ての人が見ているとは限らないことに注意しましょう.

試しに現在のページのソース(HTMLファイルの内容)を見てみましょう.

  1. [View]→[Page Sourse]を実行します.
  2. 新しいウィンドウが開き,ソースが表示されます.
  3. このウィンドウを閉じるには,ウィンドウの左上隅をクリックしてメニューを出し,[Delete] を実行してください.

HTML では,文書構造や別の文書へのリンクなどを要素 (element)によって表し,これらはその要素の内容をどういうふうに表示するのかを決めるタグ(tag)によって囲まれます.

HTMLの例
<html>
<head>              ←開始タグの例
  <title>My Test Home Page</title>
</head>              ←終了タグの例
<body>
  <p>
  Hello HTML World!
  </p>
  <table border="1">       ←属性の例
    <tr><td>
    これはHTMLのテストです.
    </td></tr>
  </table>
</body>
</html>

HTMLのように,文章の構造を要素によって指定していくことをマークアップ(markup)といい,このような言語をマークアップ言語(markup language)と呼びます.

W3C (World Wide Web Consortium)

HTMLの書き方には色々と流儀があり,人によって様々です.しかし世界中の人が誰でもアクセスするウェブ上において,みんなが好き勝手な方法でHTML記述してしまうと,先程述べたように,自分が使っているブラウザで見える通りに,相手に見えていなかったり,場合によってはページそのものが表示されないこともあり得ます.

そこで,HTMLなどウェブ上の技術の使い方を標準化するために,World Wide Web Consortium(通称W3C) という機関があります.この機関はWWWの産みの親であるティム・バーナーズ・リー氏らが1994年に設立し,マサチューセッツ工科大学(MIT),INRIA(フランス国立情報処理オートメーション研究所),そして,ここ慶應義塾大学(SFC)の3組織が運営している非営利団体です.

HTMLに関してはW3Cから勧告という形でその仕様が発表されます.強制力はありませんが,W3Cの勧告に従ったHTMLの書き方をするのが望ましいとされています.

詳しいことはW3Cのページを参照してください.