7.3 World Wide Web
World Wide Webとは,インターネットを利用した広域情報交換システムです.略して WWW とかウェブと言います.
World Wide Webシステムは,1989年にCERN(ヨーロッパ原子核研究所)のTim Berners-Leeらによって,研究者の間での効率的な情報共有を目指して開発されたものです.その後1993年に米国のNCSA(National Center for Super-computing Applications)で,情報を取り寄せるためのソフトとして Mosaic というブラウザが開発されると一気に普及しました.以後,ブラウザはNCSA Mosaicの開発メンバーらが起こしたNetscape Communications社が開発している ``Netscape Navigator'' など様々なものが普及しています.
ウェブの基本構造を成しているのがハイパーテキスト(hyper text)と呼ばれる仕組みです.ハイパーテキストは単なる文章の羅列ではなく,文書中の任意の文字列から,リンク(link)によって他の場所にある情報を次々と結びつけることができるテキストです.
ハイパーテキストでは下線付きの青色の文字で表示されている部分をクリックすることで, 関連のある別のウェブページを見ることができます.この青色の部分がリンクです.一度見たことのあるページへのリンクは,文字が青から紫に変わります.ただし,これらの色はウェブページによっては別の色で表示されることがあります.
公開されている情報のひとまとまりをページ(page)といいます.ホームページという言葉もよく聞きますが,これは,ユーザのファイルがホームディレクトリの下にあるのと同じく,個人や組織が所有しているページの起点となるページを意味する場合と,その人が所有するページ全体を意味する場合があります.もっと一般にウェブを使って公開されている情報全般を指す場合には,ウェブページあるいはウェブコンテンツと言う方が良いでしょう.
ウェブでは誰もが情報を公開することができると同時に,世界中で公開されている,あらゆる種類の情報にアクセスすることができます.
注意ウェブで公開 されている情報は,たとえ無料であっても書籍や CD と同じ著作物です.「自由に使用して良い」と明記されていない限り,個人的な利用以外を目的として作者に無断でコピーして使うと著作権法違反になります.
ウェブでは情報を公開する人と,それを取り寄せる人がいます.
- データをネットワークに公開するというサービスを提供しているのがウェブサーバ (web server)です.
- 情報を取り寄せる側すなわちクライアント側が使うのが,皆さんが毎週使っている Netscape Navigator (略して netscape)のようなウェブブラウザ(web browser)です.
ウェブブラウザは,情報の置き場所,すなわちURI (Uniform Resource Identifier)を指定すると,そこから情報を取り寄せ,見やすい形に整形して表示してくれます.
- URI は,次の3つの部分から成り立っています.
- 情報を取ってくる手段 (プロトコル)
- 情報を提供するサーバの名称
- サーバ内での情報の位置
例えば,SFC のホームページの URI は http://www.sfc.keio.ac.jp/ です. 最初の http は,情報を取ってくる手段としてウェブサーバで一般に使われている http(HyperText Transfer Protocol)というプロトコルのことです.次に www.sfc.keio.ac.jpが情報を提供するウェブサーバが動いているホスト名です.SFC の他のページの URI には,この後にウェブサーバ内でのファイルの位置を表すパス名が続きます.
● 練習問題
- Netscape のウィンドウから[ファイル]→[Navigator ウィンドウ]でもう一つウィンドウを開きましょう.どんなページが表示されましたか?
- SFC のページからリンクをたどって,次の情報を見つけましょう.
- 情報処理 概念編のトップページ
- KOSMOS II OPAC (蔵書検索システム)
- 慶應義塾大学矢上キャンパス