不良のカウント方法を工夫することで,節[分類の優先度]に述べた不良の重要度を評価に反映させることができる.日本語不良が多いチャートと, 粒度不良が多いチャートでは,後者のチャートの方が評価が高くなるように評価できる方が, 正確にチャートの質を判断できる.
そこで「不良が波及する」と考えることにより,重要と分類される不良が指摘されると,不良の指摘項目数を増加させることができる. 例えば,日本語不良が指摘された項目は,目的不明確,構造不良, 粒度不良も波及して発生し,合計4つの不良をカウントするという方法をとる.
つまり,本書で説明してきた方法論では日本語不良が指摘された項目に関しては, 目的不明確,構造不良, 粒度不良に関しては判定不能となるが,判定不能のそれらも不良として仮定してカウントすることで ,より可読性に与える影響の大きい分類の不良がレビューされると,全体の不良項目数が増えるように工夫した.
この不良のカウント方法をまとめたものを以下に示す.
日本語不良の波及
日本語不良,目的不明確,構造不良,粒度不良の合計4つが指摘される
目的不明確の波及
目的不明確,構造不良,粒度不良の合計3つが指摘される
構造不良の波及
構造不良,粒度不良の合計2つが指摘される
粒度不良の波及
波及は生じない,粒度不良の1つが指摘されるだけである
あわせて不良のカウント方法についてもまとめておく.
ここで注意したいのは,前述した波及による構造不良と粒度不良に関しては, 以下に示すような規則を適用せずに,1つの不良としてカウントするという点である.
日本語不良のカウント
指摘された項目を不良項目としてカウントする
目的不明確のカウント
指摘された項目を不良項目としてカウントする
構造不良/不足のカウント
達成不能が指摘された項目の下位1レベル全ての項目が構造不良項目としてカウントされる
構造不良/矛盾のカウント
目的と手段の関係が不正であると判断される項目のペアのうち,手段の項目が構造不良項目としてカウントされる
粒度不良のカウント
まとめる対象となる項目が粒度不良項目としてカウントされる