レビューを行う際には,優先度が高い日本語不良から順に,目的不明確,構造不良,粒度不良と見ていく. これは,優先度が高い分類の不良としてレビューされた項目は,優先度の低い分類の不良かどうかを判定するのが不可能であるからである.
例えば,「行でまわす」という項目がある場合,日本語不良と指摘される. そのため,優先度が低い分類の不良,例えば目的不明確かどうかを判断することは不可能である.
図[レビュー可能な分類の順番]に示したように,ある項目が日本語として理解できることが, その項目が目的不明確であるかをレビューするために必要である (実際のレビューの際には,レビューの対象となる項目の上位の項目の目的を考慮するため, 対象の上位の項目に関しても日本語不良がないことが要求される). 構造不良は,項目の関係性から判断するものであるため,各項目の目的が明確であることがレビューの前提となる. 同じように,粒度不良は階層構造を考慮して判断されるものであるから,階層構造が適切なことがレビューの前提となる.
チャートの評価を行う際には,このような分類間の関係を利用し,下位の階層に不良が自動的に適用できると考えることにより, 階層が上位の不良の方が可読性を大幅に低下させるという性質を反映した評価を得ることができる.この詳細については章[レビューによる評価]で述べる.