TUT-code ひらがな入門 (1)

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 TUT-codeのひらがな練習を始めます。最初の30分の練習で、ひらがなを打つ
のに必要な16個のキーのうち、11個の位置を覚えます。

 パソコンでTUT-codeが使える環境にして下さい。まだドライバ等の環境が整っ
てない人も、キーボードだけあれば練習はできます。

 練習を始める前に、まず姿勢が正しくとれているか、確認しましょう。椅子に
深くすわって、背筋を伸ばして下さい。次に、一度両手を横にブランとたらして
から両手を持ち上げて、ひじがほぼ直角になるように前に伸ばして下さい。脇が
開かないように注意して、そのまま両手の指をキーボードの上に置いて下さい。

 ここで指はホーム・ポジションと呼ばれるキーの上に置きます。左手の小指が
「A」、薬指が「S」、中指が「D」、人差指が「F」、二つキーをとばして、右手
の人差指が「J」、中指が「K」、薬指が「L」、小指が「;」、以上のキーをホー
ム・ポジションと呼びます(下図)。タイピングは、このホーム・ポジションを
基準にして行ないます。

      (左手)       (右手)
   +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
   | | | | | | |  | | | | | | |
   +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
   |●|●|●|●| | |  | | |●|●|●|●|
   +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
   | | | | | | |  | | | | | | |
   +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
                +------------------+
                |                  |
                +------------------+

 指をホーム・ポジションの上に置いたら、親指も横に長いスペース・バーの上
に置いて下さい。手のひらはキーボードから離して、宙に浮かせて下さい。ここ
まで出来たら、次に指、手首、ひじ、肩の力を抜いて下さい。そして、この時ひ
じが体の横でほぼ直角に曲がり、ひじから手首までがほぼ水平になっているか確
認して下さい。もしも手の高さが、まねき猫のように、ひじの高さよりも上がっ
ているようなら、椅子を高くするか、キーボードの高さをさげて、前に伸ばした
腕が水平になるように調整して下さい。姿勢、ホーム・ポジション、力を抜くこ
と、この三つはタイピングの基本です。

 それでは、いよいよひらがなを打ってみることにしましょう。TUT-codeでひら
がなを打つには、50音表の行を左手で、段を右手で指定し、2打鍵でひらがな
1文字を入力します。これはローマ字入力で子音、母音の順にキーをたたくのと
同じですが、キーの配置が違うので、TUT-codeの場合には必ず、左手・右手・左
手・右手の順番になります。それでは、指示に従ってキーを打ってみて下さい。

   (左手)        (右手)
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | |た|な| | |  | | |お|あ| | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+

 小さな声で「な」と言いながら、左手の人差指でホーム・ポジションのキーを
押し、すぐに指を上げて下さい。続いて「お」と言いながら、右の人差指でホー
ム・ポジションのキーを押し、すぐにまた指を上げて下さい。「の」の字が画面
に出たはずです。キーを長く押しすぎていると、「世界」の「世」という漢字や、
「経験」の「験」という漢字が現れることがあります。

 このように、キーの押しかたが悪くて漢字が出たりして、「の」の字がうまく
出なかったら、ホーム・ポジションを確認してからリターン・キーを一度押し、
もう一度左右の人差指で「な」と「お」のキーをためして下さい。うまく「の」
の字が出るまで、何度も試みて下さい。

 次に「た」と言いながら左手の中指、「あ」と言いながら右手の中指でホーム・
ポジションのキーを押して下さい。「た」の字が画面に出ます。うまく「た」の
字が出るまで、何度も試みて下さい。

 それではもう一度「な」行「お」段の「の」と、「た」行「あ」段の「た」を
小さな声を出しながら練習して下さい。指をホーム・ポジションの上に置いて、
必ず決められた指を使いましょう。この四つのキーの位置が覚えられるまで、何
度か繰り返して下さい。

 キーの位置を覚えたら、次に「た」と「お」のキーで「と」が打てることを確
認して下さい。

 続いて、「な」と「あ」のキーで「な」が打てることを確認して下さい。

 これで、「た」、「と」、「な」、「の」四つのひらがなが打てるようになり
ました。この4文字が打てるようになるまで練習して下さい。

 打てることを確認したら、次はこの4文字の練習をします。最初は、行と段を
指定するキーの名前を言いますので、それに従って打っていって下さい。漢字が
出たりして、うまく打てなかった時にも、気にせず先へ進んで下さい。どこまで
打ったか分からなくなったら、リターンを打ってから、次の字に進んで下さい。
もうキーの位置は覚えられたでしょうから、なるべく手やキーボード手見ないよ
うにし、キーの位置を忘れた時は、次の図を見るようにして下さい。

   (左手)        (右手)
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | |た|な| | |  | | |お|あ| | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+

「た」と「あ」、「な」と「あ」、「た」と「お」、「な」と「お」

 「たなとの」と打てたはずです。決められた人差指と中指を使っていますか。
では、もう一度打ってみましょう。

「た」と「あ」、「な」と「あ」、「た」と「お」、「な」と「お」

 「たなとの」となりましたか。それでは次に、

「た」と「お」、「な」と「お」、「な」と「あ」、「な」と「お」

 「とのなの」となるはずです。途中でわからなくなったら、リターンを押して
先に進んで下さい。それではもう一度やってみましょう。

「た」と「お」、「な」と「お」、「な」と「あ」、「な」と「お」

「とのなの」となりましたか。

 それでは、この四つのキーを位置は完全に覚えたと思いますから、次はキーの
名前でなく、打ちこみたい字の方を言うことにします。言われた字を打つのに必
要なキーを頭の中で思い浮かべて、なるべく手を見ずに画面を見ながら打ちこん
で下さい。まちがえて打っても、かまわず先に進んで下さい。キーの位置を忘れ
た時だけ、図を見るようにして下さい。

「と」、「の」、「な」、「の」

 「とのなの」となりましたか。うまく打てなければ、打てるようになるまで練
習して下さい。それでは次の練習に移ります。

「た」、「な」、「な」、「の」

 「たななの」となりましたか。うまく打てなければ、打てるようになるまで練
習して下さい。それでは次の練習に移ります。

「た」、「と」、「な」、「の」
「な」、「た」、「な」、「の」

 うまく打てましたか。これで、TUT-codeの基本的な打ち方がわかりました。今
は四つのキーを使っただけですが、これを16個のきーに増やせば、すべてのか
なが打てることになります。疲れた方はここで一休みして下さい。

                      *          *          *

 次は「さ」行です。ホーム・ポジションで左手の薬指を押すと「さ」行が指定
されます。まず打ってみましょう。

   (左手)        (右手)
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | |さ|た|な| | |  | | |お|あ| | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+

 左手の薬指で「さ」、右手の中指で「あ」を押してみて下さい。「さ」の字が
出るはずです。左手で「さ」、右手で「お」を押すと、「そ」が出るはずです。
この2字が打てることを確認して下さい。

 「さ」行が打てることがわかったら、「さ」行、「た」行、「な」行の練習を
しましょう。キーの名前でなく、字の方で指定しますので、言われた字を打って
下さい。キーの位置を忘れた時以外は、手やキーボードを見ないで打ちましょう。

「さ」、「た」、「な」

 「さたな」となりましたか。もう一度やってみましょう。

「さ」、「た」、「な」

 それでは次に練習に移ります。

「そ」、「と」、「の」

 もう一度練習しましょう。

「そ」、「と」、「の」

 「そとの」となっていますか。それでは次の練習に移ります。

「そ」、「と」、「な」、「の」

 もう一度練習しましょう。

「そ」、「と」、「な」、「の」

 うまく打てましたか。

 左手の薬指を使ったので、今度は、右手の薬指も使ってみましょう。ホーム・
ポジションの右手薬指は、図では「▽」で示されています。左手人差指で「な」
を押してから、右手薬指で「▽」を押して下さい。「ん」の字が出るはずです。
確認して下さい。それでは「ん」の字の練習をしましょう。

   (左手)        (右手)
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | |さ|た|な| | |  | | |お|あ|▽| |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+

「な」、「ん」、「の」

 「なんの」となりましたか。もう一度練習してみましょう。

「な」、「ん」、「の」

 次の練習に移ります。

「さ」、「ん」、「な」、「ん」

 「さんなん」となるはずです。もう一度練習してみましょう。

「さ」、「ん」、「な」、「ん」

 これでホーム・ポジションで打つ練習は一応終わりにします。1文字打ち込む
のに2回キーをたたくやり方が、むずかしい事ではないことが分かったと思いま
す。自信が持てなかったら、復習して下さい。完全でなくても、どうやら打てそ
うだ、と感じた人は次に進んで下さい。

                      *          *          *

 次は右手上段のキーを練習します。右手の中指で上段の「I」のキーを押すと、
「い」段が指定されますが、ためしに「い」段のキーをさわってみましょう。
 ホーム・ポジションから離れて上段のキーを押す時、手全体を上に移動させた
方が打ちやすい人は、そうして下さい。無理に他の指をホームポジションに残し
ておく必要はありません。「I」のキーをさわったら、すぐ手全体をホームポジ
ションに戻します。この練習を何回かやって下さい。

 では、実際に打ってみましょう。まず、左手で「た」行のキーを押してから、
右手の中指で「い」段のキーを押して下さい。

   (左手)        (右手)
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | |う|い| | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | |さ|た|な| | |  |え| |お|あ|▽| |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+

 面面には「ち」が出ているはずです。確認のために、もう一度「ち」を打って
みて下さい。打ち終ったら指をホーム・ポジションにもどすことを忘れないで下
さい。

 右手の人差指「U」のキーを押すと、「う」段が指定されます。ためしに打っ
てみましょう。左手の人差指で「な」行のキーを押してから、右手の人差指で
「う」段のキーを押して、すぐにホーム・ポジションにもどして下さい。「ぬ」
の字が出るはずです。確認のために、もう一度「ぬ」を打って下さい。

 次に、「え」段を打ってみましょう。右手の人差指を横に伸ばして「H」のキー
を押すと「え」段が指定されます。ためしに打ってみましょう。左手の人さし指
で「な」行のキーを押してから右手の人差指を横に伸ばして「え」段のキーを押
して、すぐに人差指をホーム・ポジションにもどして下さい。「ね」の字が出る
はずです。確認のため、もう一度「ね」の字を打って下さい。

 これで、右手の「あいうえお」の5段が全部出てきました。図を見て下さい。

   (左手)        (右手)
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | |う|い| | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | |さ|た|な| | |  |え| |お|あ|▽| |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+

 ホーム・ポジションの中指から始まって、「あいうえお」がぐるっと回ってい
ることがわかるでしょう。それでは、この5段の練習をします。手を見ずに、
「あいうえお」と口で唱えながら指を動かして、キーの位置を確認して下さい。
この5段の練習をします。手を見ずに、「あいうえお」と口で唱えながら指を動
かして、キーの位置を確認して下さい。この5段の位置が覚えられたら、これか
ら言う字を打ってみましょう。

「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」

 右手がホーム・ポジションから離れたら、キーを押した後、忘れずに元に戻し
て下さい。うまく「さしすせそ」が打てなかったら、できるまでやって下さい。
途中でわけが分からなくなったらリターンを右手小指で押して、もう一度最初か
らやり直して下さい。手を見ずに「さしすせそ」が打てるようになったら、「た
ちつてと」、「なにぬねの」も打ってみて下さい。

 手がホーム・ポジションから離れたら、すぐに元に戻しましょう。。手をホー
ム・ポジションに置き、ここを基準にして各キーを打つようにすることが、ポイ
ントです。これによって手元を見ずにキーボードを打つ、ブラインド・タッチ技
術が可能となるのです。


   (左手)        (右手)
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | |か|あ| | |  | | |う|い| | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | |さ|た|な| | |  |え| |お|あ|▽| |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+
 | | | | | | |  | | | | | | |
 +―+―+―+―+ +―+  +―+ +―+―+―+―+

 それでは、左手も上段のキーを打つ練習をしましょう。「R」のキーで「あ」
行を指定します。
 左手を上に移動して、「あ」と言いながら人差指で「R」のキーをさわり、ホ
ーム・ポジションに戻って下さい。キーを見ないで何度かやってみましょう。

 TUT-codeでは、「あ」行も2打鍵で打つところが、ローマ字とはちょっと違い
ます。左手の「あ」→右手の「あ」で画面に「あ」と出るはずです。
 では、「あ」行を打ってみましょう。

「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」

 打ち終ったら、左手をホーム・ポジションに戻すように、気をつけて下さい。
確認のために、もう一度打ってみましょう。

「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」

 次に、左手の中指で「E」のキーを押すと、「か」行が指定されます。「か」
行を打ってみましょう。

「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」

 左手をホーム・ポジションに戻すことを忘れないようにして下さい。もう一度
打ってみましょう。

「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」

 続いて、「さ」行、「た」行、「な」行も打ってみましょう。

「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」、「た」、「ち」、「つ」、「て」、
「と」、「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」

 これで「あかさたな」の5行が全部打てるようになりました。これを練習して
みましょう。言われた通り打ってみて下さい。

「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」

 正しく打てたら、「い」段を打ちましょう。

「い」、「き」、「し」、「ち」、「に」

 続けて「う」段、「え」段、「お」段も打ってみましょう。

「う」、「く」、「す」、「つ」、「ぬ」
「え」、「け」、「せ」、「て」、「ね」
「お」、「こ」、「そ」、「と」、「の」

 「あ」行から「な」行まで、全部打てるようになるまで、練習して下さい。


 これで「TUT-code ひらがな入門コース(1)」を終わります。これで、ひら
がなを打つのに必要な16個のキーのうち11個のキーをマスターしました。次
の30分の練習を終えれば、残りの5個のキーをマスターし、すべてのひらがな
が、手を見ないで打てるようになります。なるべく1日以内に次の練習に進んで
下さい。

このテキストは、大岩元作成「テープ教材・タッチタイプひらがな入門 その1」 (1985)を一部修正したものです。
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