12.2 CNSの継続的な利用に伴う諸注意
パスワードの管理
CNSでは3ヶ月以上パスワードを更新しないとアカウントが停止されてしまいます.最初にパスワードを決めて以来,変更していない人はそろそろ期限が迫っています.パスワードの有効期限が近付くと,ログインした際に警告メッセージが表示されるので,期限までに必ず変更しましょう.
パスワードの変更には yppaswd コマンドを使います.→0.4 アカウント
パスワードの定期的な変更はネットワークセキュリティ上非常に重要なことです.期限が迫って促される前に変更しておく習慣をつけましょう.→5.5 セキュリティ
ディレクトリの整理
今学期のこれまでの作業で,CNSのホームディレクトリの中に様々なファイルが出来たと思います.ファイルは内容や種類ごとにディレクトリを作り,分類して保管しましょう.また各ディレクトリの中でも,ファイルの用途や性質によって階層化させて保管しておくと,検索や整理の際に便利です.→3.2 ディレクトリとツリー構造
これから具体的なファイルの容量制限や,圧縮などの整理の方法について説明します.
容量制限
CNS で個人が利用できるファイル空間の容量は最大1ギガバイト, 100000ファイルまでです.
容量制限を越えるとログイン時に警告メッセージが出ます.
一週間以内に制限以下にファイルを減らさないとログインできなくなります.
現在の自分の使用量を知るには quota コマンドに -v
オプションを付けて実行します.
% quota -v Disk quotas for t03000tf (uid 00000): Filesystem usage quota limit timeleft files quota limit timeleft /a/fs0701a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0501a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0502a 237773 1024000 1536000 4540 100000 150000 /a/fs0503a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0702a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0601a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0711a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0512a 13 100 100 4 100 100 /a/fs0602a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0612a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0611a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0703a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0511a 0 100 100 0 100 100 /a/fs0603a 4 100 100 1 100 100 |
左から2つ目の usageの欄が,自分が使用している量で単位はバイトです.右から4つめの files欄が自分が持っているファイル数を表します.またtimeleft欄は制限を越えた際に,あと何日でそれらを制限以下に収めないといけないかを示します.
ディスクはみんなで共用しています.容量制限に達していなくても,不必要なファイルはこまめに消しておきましょう.→4.2 情報量
自動的にできるファイル
作った覚えのないファイルができていることがあります.これは,コマンドを実行した時に,バックアップや処理経過の記録のために作られるファイルです.次のようなものがあります.
- 前後に # がついたファイル : emacs が編集作業中に定期的に保管するファイルです.emacs が異常終了した時に,これを使って編集中の状態を回復できます.正常終了の場合は自動的に消去されます.
- ~/.saves- で始まるファイル : emacs がどのファイルを編集中かを記録しているファイルです.emacs が異常終了した時に,これを使って編集中の状態を回復できます.正常終了の場合は自動的に消去されます.
- ~ で終わるファイル : emacs が編集前の状態を保存しておくファイルです.編集後に間違いに気がついた時に,前の状態に戻すことができます.
- core :
コマンドが異常終了した時にできる,異常の原因を調べるためのファイルです.
このファイルは他に比べ容量が非常に大きくなることが多いです.通常は残しておく必要はありませんから,気がついた時に消しましょう.
CNS では,# で始まるファイルと core というファイルは,一定期間経つと自動的に消去されます.core という名前で大事なファイルを作らないようにしましょう.
ファイルの整理
ホームディレクトリのファイルを整理するには,ls や rm などのコマンドを使って行うのが普通です.
また,emacs の dired モードを使う方法も便利ですので紹介しておきます.
- C-x d 又は,[Files]→[Open Directory ...] とします.
- ミニバッファに Dired (directory): ~/ と表示されますので,整理したいディレクトリを指定します.
- ファイルの一覧が表示されたら,Mew で不要なメールを削除するのと同じ要領で,不要なファイルのところにカーソルを移動させ,d 又は,[Mark]→[Flag] を実行すると,左端に「D」マークがつきます.
- # 又は,[Mark]→[Flag Auto-Save Files] を実行すると,前後に # がついたファイル全部に「D」マークがつきます.
- ~ 又は,[Mark]→[Flag Backup Files] を実行すると,~ で終わるファイル全部に「D」マークがつきます.
- x を押すと,「D」マークをつけたファイルの一覧が表示され,本当に消してよいか聞いてきます.
- yes と答えると,削除されます.
消す前にファイルの内容を確認したい場合は,次のようにします.
- テキストファイルの場合
- そのファイルのところにカーソルを移動させ,[Immediate]→[View This File] v を実行すると,view モードでファイルを表示します.このモードでは編集はできませんが,SPCで次の画面へスクロールし,q でバッファを消去して元の状態に戻ります.
- 画像ファイルの場合
- そのファイルのところにカーソルを移動させ,[Operate]→[Shell Command...] ! を実行し,ミニバッファで画像表示用のコマンド(普通は xv)を指定します.すると,emacs は停止状態になり,画像表示コマンドが起動します.画像表示コマンドを終了させると,emacs が再開します.
● 練習問題
自分のホームディレクトリにあるファイルをディレクトリに分けて整理しなさい.また,不要なファイルを全て削除し,quota コマンドでファイル容量が減っているかどうか確認しなさい.
ファイルの圧縮
あまり使わないファイルは,圧縮して置いておくと,ファイル容量を節約できます.
ファイルのバックアップ
誤って削除したファイルは二度と復活できません(ただし,emacs で編集している場合は,~ が付いたファイルが残っているかもしれません).重要なファイルはバックアップを作っておきましょう.