2.3 文書の編集
長い文章の編集
emacs で画面に入りきらないほど長い文章を編集する時は, 一部分だけが表示されています. 表示位置を変更することをスクロール(scroll)すると言います.
まず,長い文章の例として Emacs Tutorial を見てみましょう.これは,Emacs の入門用テキストですが,今はスクロールの練習が目的なので,内容を読む必要はありません. C-h t と入力するか,マウスを使ってメニューから [Help]→[Emacs Tutorial] を選択すると表示されます.
- 矢印キーを使う方法
矢印キーを押し続けて画面の上下の端まで行くと,その方向にスクロールして,常にカーソルが画面の中にあるようになっています.
一行ずつではなく,半画面分,一気にスクロールします. - キーボードによる方法
- C-v を押すと,一画面分下にスクロールします.
- ESC-v を押すと,一画面分上にスクロールします.
- ESC-< を押すと,文章の先頭に移動します.
- ESC-> を押すと,文章の最後に移動します.
- マウスとスクロールバーを使う方法
ブラウザの操作と同じように,左端にあるスクロールバーを使って,画面をスクロールさせることもできます.
コピー&ペースト
文章の一部をコピー(copy)し別の場所にペースト(paste)(張りつけ)することができます.
- キーボードだけでやる方法
- コピーしたい領域の開始位置にカーソルを持っていって, C-space と入力し開始位置を指定します.するとエコーエリアに Mark set と表示されます.
- カーソルをコピーしたい領域の最後に持っていき, ESC-w と入力します.これでコピー領域の終点を指定したことになります.
- コピーする内容を張り付けたい場所へカーソルを持っていき, C-y と入力するとコピーしたい内容が指定した場所に張りつけられます.
コピーしたい内容の終点を指定するときに ESC-w と入力するかわりに, C-w と入力すると,その領域が削除され,コピーではなく移動になります.
- マウスを使う方法
- コピーする領域を指定します.領域の先頭でマウスの左ボタンを押し,そのまま領域の最後までドラッグします.あるいは,先頭で左ボタンをクリックし,最後で右ボタンをクリックしても同じです.
- 目的の位置でマウスの真ん中ボタンをクリックすると,そこにさっき指定した領域の内容がコピーされます.
領域を指定するとき,先頭で左ボタンをクリックし,最後で右ボタンを2回クリックすると,その領域が削除されるので,コピーではなく移動になります.
文字列の検索や置換など,emacsを用いて他にもいろいろなことができます.余裕のある人は自分で調べてみましょう.
ファイルの挿入
文章を書いている最中に,以前作ったファイルの内容をそのまま取り入れたいときがあります.これをファイルの挿入(insert)といいます.
カーソルを,挿入を行いたい場所に持っていき, C-x i と入力すると,エコーエリア(画面の最下行)に,
と表示され,挿入するファイルの名前)を聞いてきます.
ここに挿入したいファイルの名前を入力すると,カーソルがあった位置に指定したファイルの内容全てが挿入されます.
注意ここで入力しているのはファイル名ではなく正確にはファイルパス(ファイルが保存されている位置)になります.詳しくは次週に学びます.
● 練習問題
前に作った test というファイルを開き,その中の好きな場所に test2 のファイルの内容を挿入し, test3 という別のファイル名で保存しましょう.