1.5 電子メールの仕組み
メールサーバ
電子メールのやり取りは必ずメールサーバ (mail server)というコンピュータを通して行われます.SFCの場合はITC (Information Technology Center)にメールサーバがあります.
プロトコル
インターネット上で情報を通信するためにはそれぞれについて,通信上の約束事があります.この約束事のことをプロトコルと呼びます.(詳しくは第5回ネットワークで学びます)電子メールの場合は送信と受信にそれぞれプロトコルが存在し,送信の場合は通常SMTP (Simple Mail Transfer Protocol)というプロトコルを,受信の場合はPOP (Post Office Protocol)というプロトコルを使用しています.
受信の際に使われるPOPは暗号化の方式によってAPOP,POP over SSLなど様々な種類があり,メールソフトによって対応する方式が違うので注意してください.SFCではAPOPを使用しています.詳しくはITCのページを参照してください.
送信
- ユーザが電子メールを送信すると,その情報は手元のコンピュータからまずメールサーバに送られます.
- メールサーバは宛先を調べ,もしそれが自分の組織内の人である場合には,自分のところに貯めておきます.
- 宛先が別組織の場合には,その組織を管理しているメールサーバを探しだし,そこにメールを転送します.
受信
- メールサーバは自分の組織宛のメールが届くと,それを各ユーザのメールボックスに振り分けます.この時点でメールのデータはメールサーバにあり,ユーザはまだメールが届いたことを知りません.
- ユーザがメールソフトを起動し,メール受信の操作をすると,メールサーバに自分宛のメールが届いているかどうかを聞きに行きます.(Wanderlustの場合は起動するだけでメールサーバに問い合わせを始める.)
- メールが届いている場合には,メールサーバはメールをユーザのコンピュータへ内容を転送し,そのユーザのメールボックスを空にします.
同じ人が複数のコンピュータからPOPでアクセスすると,そのたびにメールが別々のコンピュータに取り込まれてしまい,ばらばらになってしまいます.例えば大学のコンピュータと自宅のコンピュータとで交互にPOPでアクセスすると,メールはそれぞれのコンピュータに分散してしまいます.そこで普通はいずれか1台を除いて「メールをサーバに残す」という設定をメールソフトで行っておき,メールがばらばらになってしまうのを防ぎます.