1.4 メールソフトの使い方
電子メール(electronic mail)は,コンピュータネットワークを使って文章などを相手のコンピュータに届ける仕組みです.省略して単にメールということもあります.電子メールを使うと,キャンパス内だけではなく,インターネットを通して世界中のいろいろな人とコミュニケーションを取ることができます.
電子メールは,SFCでは以下のようなことに活用されています.
- 授業における宿題,レポートの提出
- 先生への質問など
- アドグルやサークルの連絡
- 個人的なおしゃべり
電子メールを使うための準備
電子メールはメールサーバというところで管理されています.電子メールを受信したり,送信するときは必ずこのメールサーバにアクセスをしています.そこで電子メールを使うためには,CNSのコンピュータにログインするパスワード以外にこのメールサーバにアクセスするための専用のパスワードを用意しておく必要があります.
パスワードを設定するためには一度メールサーバにログインし直します.
まず,端末ウィンドウで
% hostname |
として,自分が現在ログインしているコンピュータの名前を確認します.コンピュータの名前はディスプレイにシールで張られているものと一致している(「zux???」になっている:???は3桁の数字)ことを確かめたら,ssh コマンドでメールサーバにログインします.
% ssh mail |
そうすると以下のように聞いてくるのでyesと入力し,そのあと自分のCNSのパスワードを入力してメールサーバにログインします.
% ssh mail The authenticity of host 'mail (133.27.4.120)' can't be established. RSA1 key fingerprint is 14:c2:5e:ec:89:cc:f8:e9:ea:33:d8:4d:b2:22:58:22. Are you sure you want to continue connecting (yes/no)? yes Warning: Permanently added 'mail,133.27.4.120' (RSA1) to the list of known hosts. t01000tf's passwd: 自分のCNSのパスワード |
問題なくメールサーバにログインできたでしょうか.確認するには先ほどの hostname コマンドを実行して,``mail"となっていれば良いはずです.
注意全員が一斉にメールサーバにアクセスするとメールサーバに負荷がかかるので時間差を設けてログインしましょう.
メールサーバにうまくログインできたら,続いて,popauth コマンドでパスワードを設定します.
% popauth |
電子メール用のパスワードを聞かれるので新しいパスワードを自分で決めて入力してください.入力後再確認を求められるのでもう一度同じパスワードを入力します.何も問題がなければこれで電子メール用のパスワードの設定は完了です.
注意パスワード入力時は画面に入力している文字が表示されません.ミスをしないよう慎重に入力しましょう.
パスワードはCNSログインに使用するものとは別のものを設定してください.また,CNSのパスワードと同様,忘れると電子メールのやり取りができなくなりますので,パスワードは忘れにくいものにしましょう.
正しくパスワードが設定できたら,次のようにして,メールサーバからログアウトします.
% exit |
きちっとログアウトできたかどうか,hostname コマンドで再度確認しましょう.ディスプレイのラベル通り``zux???''(???は3桁の数字)になっていればログアウトが完了しています.
電子メールを送る準備
電子メールを書くためには,まずemacsという文章入力のためのソフトを使用します.
メニューの「プログラム(足跡のマーク)」→「アプリケーション」→「Emacs」と選択するか,もしくは端末ウィンドウをアクティブの状態にしてから,
% emacs & |
とコマンドを打つと,しばらくしてからemacsという下のような新しいウィンドウが現れます.
続いて今度はemacsからメールをやり取りするwanderlustというソフトを起動します.
Emacsのメニューバーから「Tools」→「Read Mail (with wl)」を選択すると起動します.
以下の方法でもwanderlustを起動することができます.
まず,Esc-xと入力します. Esc-x は,「Esc」キーを押してから x を押すことを示しています.
すると,カーソルが1番下,黒い区切りの真下に移動します.この場所をエコーエリアといいます.そのエコーエリアに,続けて,wlと入力し Enter キーを押します.
続いて,エコーエリアで図のようにパスワードを聞いてきますので,先ほど設定したメール用のパスワードを入力してください.
パスワードが正しく入力されると,エコーエリアに「Checking "Desktop" is done.」と表示され以下のようになります.
電子メールを送る
普通の手紙と同様,電子メールにも宛先があります.この宛先のことをメールアドレス(mail address)といい,ユーザー名と組織名を@マークで繋いだ形で表されます.
例: t01000tf@sfc.keio.ac.jp
- @より右のsfc.keio.ac.jpというのが所属する組織の名前を表します.
sfc = SFC,keio = 慶應,ac = 学校(academic),jp = 日本(Japan)を意味します. - @より左のt01000tfというのはこの組織におけるユーザー名すなわちログイン名です.
新しい電子メールを書くには,WanderLustを起動した状態で w を押します.すると画面が変わって,次のような状態になります.
メールは宛先や差出人,送信日時などを示すヘッダ領域と,手紙の中身に相当する本文領域の2つから構成されます.ヘッダ領域はメールを送るために必要な情報がいろいろ書きこまれており,通常メールを送るときに入力するのは相手の宛先と表題のみになります.
- 宛先
- 電子メールの宛先には3種類あります.
- To :
- 通常の宛先は「To : 」というところに続けて書きます
- Cc :
- 他人へのメールを控えとして自分にも送信したいときや,本来の宛先ではないけれど,参考のために送りたい場合はCcを使います.例えば,忙しい先生にメールで何か頼んでも忘れられてしまう危険性があるので,先生の秘書またはTA/SAにもコピーを送っておくと,ちゃんとスケジュールに入れてもらえます.このような場合に便利なのが,Cc: (Carbon Copy) です.Toの次の行に,「Cc : 」を自分で書き足し,その後にコピーを送りたい相手のメールアドレスを書きます
- Bcc :
- Bcc: (Blind Carbon Copy) は Cc: と同じようにコピー を送りますが,発送前に Bcc: の行を削除しますので,受け取った人にはコピーを送ったことがわかりません.ここに自分のログイン名を書いておくと,自分のところにもメールが送られることになり,控えとして後で利用 できます.特にレポートなど重要な送信をするときには利用しましょう.
- 表題
- 表題は,次の行のSubject : に続けて書きます.一日に大量のメールを受信する人もいますので,表題はメールの中身を的確に表した分かりやすいものにするのがマナーです.
- 本文
- 本文は,「--text follows this line--」の下の行から書き出します.
それでは実際に書いてみましょう.今回は英字のみですが,余裕がある場合は来週のテキスト(→2.4 日本語の入力方法)を参照して日本語で文章を書いてみましょう.
電子メールを書く上で注意すること
- 署名
宛先・表題・本文だけでは,一体誰が書いたのか分かりません.そこで書いた本人が誰なのか判るように本文の末尾で明示しておく必要があります.これを署名またはsignatureといい,書いた人の名前,そして返信先のメールアドレス,所属(学部・学年)などを書くのが普通です. - Subject: には本文の内容を的確に短く書く.
Subject: を見て読むか決める人がいますから,不適切な Subject: だと読んでもらえないかもしれません.長い Subject: は読みにくいので止めましょう. - 空行や空白は,段落の切れ目や引用など意味のある時だけ使う
意味もなく1行おきに書くのは読みづらいです.
行頭にいくつかの空白文字を入れて右によせて書く人がいますが,表示のしかたは,使っているコンピュータでまちまちですから,自分のコンピュータで見た目がよくても,他人のコンピュータでそうであるとは限りません. - 機種依存文字は使用しないこと
使える記号などの一部には,特定のコンピュータでないと表示できないものがあります.これを機種依存文字といい,この文字を使ったメールを表示できないコンピュータを使っている人が受け取った場合,その部分が意味不明な文字で表記されて(これを文字化けといいます)しまい,混乱の元となりますので,使わないようにしましょう.
機種依存文字について - 1行は日本語の場合35文字程度にとどめる
1行は日本語の場合35文字程度で,文の途中でも改行を入れます.ワープロのように改行を入れずに続けて書いていくと,相手のソフトによっては読み難くなったり,トラブルの原因になったりします. emacs では Esc-q を押すと,自動的に35文字に揃えてくれます. - 電子メールでは文字しか使えないので,言葉がきついものにならないよう表現には十分注意しましょう.
メールの文章を書き終えたら,C-c C-cまたは「Tools」→「Send Mail (with wl)」で,メールを送信します.C-c は コントロールキーを押しながら c を押すことを示します.
● 練習問題
隣の席の人から電子メールアドレスを教えてもらい、その人に電子メールを送ってみましょう.
● 練習問題
周りの3人のメールアドレスを教えてもらい,うち一人をTo:に,残りの二人をCc:として電子メールを送りましょう.
送信前にチェック!
- アドレス(宛先)は正しいですか?
- ヘッダはありますか?
- 表題(subject)は正しく入れましたか?
- 送り主である自分の名前・所属・連絡先(メールアドレスなど)は忘れずに書いてありますか?
電子メールの読み方
届いたメールを読むためには「受信箱」にカーソルを持っていき, Enter を押すと以下のようにメールの一覧が表示されます.
今,メールが届いているかもう一度チェックしたいときには,sを押すと,新しいメールが届いたかどうかを調べて,表示します.
状況によっては,エコーエリアに Range (update): と表示されることがあるので,その場合は allと打った上で,Enter キーを押してください.
自分が読みたいメールのところにカーソルを持っていき,スペースキーを打つと画面が2つに分かれ,下の部分に本文の内容が表示されます.
返信のしかた
送られてきたメールに返事を書くにはどうしたらいいでしょうか?
最初から新しく書きなおすこともできますが,いちいちメールアドレスを入力しなおすのは大変です.また,時には相手が書いてきた文章をそのまま使って返事を書きたいときもあります.
こういう時は返信という機能を使うことができます.
返事を書きたいメールのところにカーソルを持っていってaと打ちます.すると今度は相手のメールアドレスがすでに宛先として記入された状態の新しいメールが出てきます.
またaと打つ替わりにAと打つと,相手のアドレスに加えて,相手のメッセージが頭に「>」マークをつけた状態で表示されます.これを引用といい,「>」マークのことを引用符と言ったりします.引用を全て残すと冗長なことが多いので, 必要のない部分を削除しましょう.
自分を含め複数の人に同時に送られたメールに返信する場合,返信先のアドレスには送り主以外に,同じメールが送られた人も入ってしまいます.送り主だけに返事を書きたい場合は,不要な人のアドレスを削除してください.
● 練習問題
自分に送られてきたメールに返事を書いて,送り主に返信してみましょう.
メールの削除
受けとったメールの中には,そのうち不要になるものもあります.このようなメールをいつまでもとっておくと,ファイルを格納しておくところが一杯になってしまい,,新しいファイルを作ることができなくなってしまうので,必要のないメールはこまめに消すようにしましょう.
メールの削除は次のようにします.
- メール一覧の中の,削除してしまいたいメールの行にカーソルを持っていき, d を押して,次のように D のマークを付けます.
- 他にも削除してしまいたいメールがあれば,それにも同じようにして D のマークを付けます.
- 次に, x を押すと, D マークの付いたメールが削除されます.
D マークを間違えて付けてしまった場合には,その行にカーソルを持っていき, u を押すとマークを消すことが出来ます.これで削除の対象でなくなります.
● 練習問題
先程の練習問題で届いたメールを削除しましょう.
メーリングリスト
メールアドレスは必ずしも個人を表しているとは限りません.あるグループのメンバー全員に対してメールを送るようなアドレスをメーリングリスト(mailing list)と言います.
例えば,hattori-group@sfc.keio.ac.jp は服部先生のアドバイザリーグループのメンバー全員のメーリングリストです.
注意メーリングリストは一度に大勢の人にメールが送られてしまいます.個人的な内容を大勢に送りつけるのは迷惑です.メーリングリストにメールを送るときは,内容がメンバー全員に関係のあるものかどうか必ず確認してから送信しましょう.
メールソフトの終了
メールのやり取りが済んだら,メール一覧画面で q を押して,wanderlustを終了します.するとemacsの画面に戻ります.
wanderlustはemacsを直接終了させることで終わらせることもできます.emacsを終了するためには,C-x C-c と続けて入力します.
注意たくさんのソフトを同時に動かしていると,コンピュータに負担がかかります.用のなくなったソフトはこまめに終了しましょう.