11.5 入出力装置
これまでコンピュータの4つの主要な機能のうち,「演算」と「記憶」の2つについて触れてきました.これらは主にコンピュータの内部で起きている作業であり,実際に使う私たちユーザの目に触れることはありません.しかし私たちはコンピュータに指示を与えたり,その指示の結果を確認したりする必要があります.このユーザとコンピュータのやりとりのためにあるのが入出力装置です.コンピュータの外部から指示を与えるものを入力装置,結果を外部に出力するほうを出力装置といいます.
入力装置
入力装置の代表的なものは以下にあげる通りです,
- キーボード:文字の入力
- マウス:位置決定・選択・実行の指示を入力
- マイク:音声情報の入力
- スキャナ:画像情報の入力
- ネットワーク:インターネットなど
これ自体は装置ではありませんが,たとえば電子メールを読むときを考えてみましょう.電子メールの情報はメールサーバに格納されており,皆さんが使っているコンピュータのメールソフトでメールを読むときは,このメールサーバというコンピュータにメールを呼び出せという指示を,離れた別のコンピュータから行っていることになります.この場合,メールサーバにとっての入力装置はネットワークとなります.
出力装置
出力装置の代表的なものは以下にあげる通りです,
- ディスプレイ:文字・画像情報の出力
- プリンタ:文字・画像情報の出力
- スピーカ:音声情報の出力
- ネットワーク:インターネットなど
● 練習問題
入力装置 | emacs | 出力装置 |
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上の例はemacsというソフトウェアを使う際に使われる入力装置と出力装置の一覧です.この例にならい,次のソフトウェアを使う際は,入力装置,出力装置としてどのようなものがあるか考えて,表の空欄を埋めなさい.
入力装置 | Mozilla | 出力装置 |
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入力装置 | Wanderlust | 出力装置 |
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プリンタの使い方
先ほど出力装置の一つとしてプリンタを紹介しました.SFCにも特別教室やメディアセンターなどにプリンタが設置されておりいつでも使うことができます.
各プリンタの番号と配置場所は以下のようになっています.
プリンター名 | 部屋 |
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nps0 | ο2階コピー室 |
nps1 | ο17 |
nps2 | ι18 |
nps3 | ε17 |
nps4 | κ18 |
nps5 | λ18 |
nps6 | ε2階コピー室 |
nps7 | ε2階コピー室 |
nps8 | ο2階コピー室 |
nps10 | λ11 |
nps12 | 新オープンエリア |
nps13 | メディアセンター1階 |
nps14 | メディアセンター1階 |
Windows環境でのプリンタの使い方
使用しているソフトウェアにもよりますが,メニューから印刷を選択するとだいたい以下のような画面が現れます.(下の例はNetscape で印刷を行う場合です.)
出力したい先のプリンタの番号を指定して「ok」を押すだけで印刷ができます.
Unix環境でのプリンタの使い方
プリンタが印刷するデータ形式には何種類かありますが,CNSのプリンタは,すべてポストスクリプト(PostScript)形式のデータを印刷するようになっています.ですから,テキストファイルを印刷するときは,テキストをポストスクリプトに変換しなければなりません.
- ポストスクリプト形式への変換
テキストファイルをポストスクリプトに変換するためには次のようにします.
% a2ps ファイル名 > 変換先のファイル名(.ps という拡張子をつけておく) --------- 例 ----------- % a2ps report.txt > report.ps
- プリンタの状況を知る
プリンタが正常に動いているかどうかや,印刷の順番待ちの状況が表示されます.Job欄の数字(ジョブ番号)は印刷を取り消すときに使います.
% lpq -Pプリンタ名 --------- 例 ----------- % lpq -Pnps13 Tue Jun 25 17:37:20 2002 Starting job Rank Owner Job Files Total Size active s02000hf 507 test.ps 637611 bytes 1st t99200mk 508 syllabus.ps 254461 bytes 2nd t02000tf 509 report.ps 521232 bytes
- 印刷する
印刷するには次のようにします.
% lpr -Pプリンタ名 ポストスクリプト形式のファイル名 --------- 例 (ο17の特別教室のプリンタで出力する場合)----------- % lpr -Pnps1 report.ps
- 印刷を取り消す
印刷を取り消すには lprm コマンドを使い取り消したいJob番号を指定します.
%lprm -Pプリンタ名 取り消したいJob番号 --------- 例 nps13 の 509の印刷を取り消したいとき----------- %lprm -Pnps13 509 prn13: dfA050zux100 dequeued prn13: cfA050zux100 dequeued
ジョブ番号の代わりに自分のログイン名を指定すると,自分が出した要求がすべて取り消されます.
%lprm -Pnps13 t02000tf prn13: dfA051zux100 dequeued prn13: cfA051zux100 dequeued
個人がCNSのプリンタを使って印刷できる枚数は年間500枚までとなっています.500枚を超えた場合は,1枚につき5円の料金が取られるので注意すること.