11.4 記憶装置

コンピュータの記憶装置には,主記憶装置(メモリ)と二次記憶装置補助記憶装置)(ハードディスクやフロッピーなど)があります.さて,この二つの違いは一体なんでしょうか.特徴をあげると,以下のようになります.

主記憶装置
  • データの読み込み速度・書き込み速度が速い.
  • 電源が切れると,データが全て消えてしまう.
二次記憶装置(補助記憶装置)
  • データの読み込み速度・書き込み速度が(主記憶装置と比べて)遅い.
  • 電源が切れても,データは消えない.

具体的にテキストエディタを使った文書編集を例に考えていきましょう.Windowsのメモ帳(notepad)を使って文章を作るとします.

保存前  保存前

このように「文章を書きます。」という文章を入力しました.この段階では,文章はメモリに保存されています.文章を編集しているためデータを変更する可能性が高く,データを高速に扱えた方がよいからです.

保存後  保存後

ところが文章を書き終えた後この文章をそのままにしておくと,パソコンの電源が落とされたときにデータが消滅してしまいます.そこでファイルに「保存」します.こうすることでメモリに存在しているデータを補助記憶装置にコピーし,それによってデータを保存する事ができるのです.

主記憶装置

主記憶装置はコンピュータ内部にあり,通常メモリと呼ばれます.

メモリは,具体的には以下のようなスティック上の形をしています.

メモリ表面写真

メモリ裏面写真

メモリ横面写真

これ一本で一般的には64MB,128MB,256MB,512MBのいずれかのデータ容量を持ちます.

二次記憶装置(補助記憶装置)

補助記憶装置には以下のようなものがあります.ハードディスク以外はすべてコンピュータ外部の記憶装置です.

補助記憶装置の代表として,ハードディスクを紹介します.ハードディスクはコンピュータ内部にあり,その概観は以下のような四角い箱です.

ハードディスク表面写真 ハードディスク裏面写真

様々なソフトウェアのデータや自分で作成し,コンピュータ内に保存したデータはすべてここに格納されています.たとえばソフトウェアを起動する場合は,まずOSがハードディスク内に保存されているソフトウェアのデータを読み出し,CPUに実行させます.

ハードディスクの上にある銀色の板をはがして,ハードディスクの中身を見てみましょう.

ハードディスク内部写真

中には鏡のような円盤が2枚入っています.(写真の例は分解の過程で上側の円盤1枚が割れてしまったものになっています)
この円盤の上に磁気を載せる事で,データは保存されます.電源が入っているときには,この円盤は回転しています.

銀色の三角形の形をした突起がヘッドと言われる部位で,これが上下に移動することでハードディスクのデータを読み書きが行われます.

主記憶装置(メモリ)の場合は,直に電子回路でCPUなどと結ばれており,データへのアクセスは全て電子回路上を電子が動く事だけで済むので,データの読み書きは速くなります.これに比べてハードディスクの場合は,ヘッドが上下に移動してデータを読み書きする必要があるのでどうしてもメモリと比較すると速度が遅くなってしまいます.