2.3 テキストエディタの使い方
エディタ(editor)とは,英語で編集者という意味もあるように,ファイルの内容の編集を行うものです.特に,テキストの内容を編集するものをテキストエディタ(text editor)といいます.
すでに存在するファイルを編集するだけでなく,キーボードから文字情報を入力して新しいファイルを作るときにもテキストエディタを使います.テキストエディタにもいろいろありますが,SFC では前回電子メールを書くときに使用した emacs というソフトウェアを用います.
まずはemacsを起動し,下のようなemacsウィンドウを表示しましょう.
% emacs & |
- Aの部分をメニューバー(menu bar)と呼び,ここをマウスでクリックすることで,いろいろな命令を実行することができます.
- Bの部分をウィンドウ(window)と呼び,ファイルの編集を行ないます.ただし,端末ウィンドウやemacsウィンドウとは別の意味ですので,混乱しないでください.
- Cの部分をモードライン(mode line)と呼び,編集中のファイルの状態を表します.
- Dの部分をエコーエリア(echo area)またはミニバッファ(mini buffer)と呼び,emacsからのメッセージなどが表示されます.
- Eの部分をスクロールバー(scroll bar)と呼び,編集しているデータの別の部分を表示させるときに使います.
最初に,これからファイルを作成することをemacsに知らせます.起動した状態でいきなり文字を入力することもできますが,その状態ではデータを保存するようにはなっていません.
普通は次のようにしてファイルを作ることをまず指定します.
emacs ウィンドウをアクティブにした状態で, C-x C-f と入力します.
すると,エコーエリア(画面の最下行)に,
と現れます.これは,何という名前のファイルを編集するか,emacs が尋ねているのです.例えば testというファイルを作る場合,`test'と入力し,リターンキーを押します.
すると,モードライン(下から2行目の白黒反転している行)が 以下のように変わります.
このように,今作成している(あるいは編集している) ファイルの名前がモードラインに現れます.
emacsでは,マウスなどを使わずに,キーボードだけで命令を出すことができます.これは,emacsが生まれた時代には,まだマウスが使われていなかったからですが,今でもこの方法を覚えておくと便利です.また,Emacsの命令の数は物凄く多いので、そのなかでも特に良く使うものだけをメニューからマウスで選択して使えるようになっています。ただ、メニューはマウスが使えないような状況、例えばWindows-NTや自分のラップトップから、TeraTermを使いCNSにログインしている場合には使うことができません.これについてはWindowsの回で詳しく説明します.
慣れてくると,キーボードの方が圧倒的に速く操作できますので,できるだけキーボードでの操作を覚えるようにしましょう.
ファイルの保存
作ったファイルは保存という作業をして記憶させておかないと消えてしまいます.また新しく作ったファイルを保存する際は、必ずそのファイルに名前をつけて保存する必要があります。
emacs で文章を書いている時, そのデータはバッファ(buffer)というところに入っています. 書き終わったら,それをファイルに保存しなければなりません. 保存することを,セーブ(save)するともいいます.保存せずに emacs を終了させた場合,バッファの内容は消え,ファイルの内容は編集する前の状態のままになります.
データを保存するためには C-x C-s とします.
ファイルを別の名前で保存したいときは C-x C-w と入力するとエコーエリアに「Write file: ~/」と表示されるので続けて,つけたいファイル名を入力してください.
まだ保存していない変更点がある場合は,モードラインのファイル名の左に図
のように `**' が表示されます.
ファイルに保存すると,これが `--' に戻ります.
● 練習問題
ファイルの読み込み
保存しておいたファイルを呼び出して、さらに手を加えたい時があります。このときは以前のファイルを読み込む必要があります。
C-x C-f と入力するとエコーエリアに、呼び出したいファイルの名前を聞いてくるので、名前を入力します。
すると以前保存しておいたファイルが呼び出されます.
● 練習問題
キーを忘れたときは・・・
メニューでもできます.
ファイルを開く | [Files]→[Open File...] |
バッファを保存 | [Files]→[Save Buffer] |