本章では,レビューの際に使用する不良の分類を「列車の座席予約システム(5)」を例に解説する. ここで紹介する分類は,三十名余りのHCPチャートを分析した知見を元に作成したものである.
分類は以下に示す四つである.
日本語不良
日本語として意味の理解が不可能な項目のこと
目的不明確
目的が明確でない項目のこと
構造不良
ある項目とその下位レベルの項目間の関係が不適切なこと
さらに,目的と手段の構造に矛盾がある「構造不良/矛盾」と, 下位の項目だけでは上位の項目が達成できない「構造不良/不足」に分類することができる.
粒度不良
複数の項目が適切な大きさでまとめられていないこと
節[分類の解説]にて,これらの具体的な分類の詳細について解説を行う.
また,これらの各分類には,日本語不良→目的不明確→構造不良→粒度不良の順にレビューを 行うという優先度が設定してある.節[分類の優先度]でこの優先度について説明する.