基本練習

タイピング練習はアルファベットをタッチタイピングできることが目的ですが、ここでは、その基本練習をします。普通のQWERTY配列[注]のキーボードを用意して下さい。
[Q] 打つ時の姿勢や机、椅子に関して注意すべきことはありますか?
[A] まず椅子に深く腰かけ、手をキーボードの上に置いた時に、肘から手が水平になるようにして下さい。斜めになっていると、肩に力が入ったり手先だけで打ってしまったりして疲労の原因になります。水平になるように椅子や机の高さを調節して下さい。
[Q] 指はどのように置いたらいいでしょうか? 決まった位置に置いておく必要がありますか?
[A] はい、普段指を置いておく位置をホームポジションと言って、これを守ることが大切です。ホームポジションは[別図]の位置です。
右手はJに人差指、Kに中指、Lに薬指、;に小指を置きます。左手はFに人差指、Dに中指、Sに薬指、Aに小指です。肘を張らないように、力を抜いて手を丸くすると、親指は自然にスペースバーの上あたりにきます。ホームポジションに指を置く練習をします。
「膝の上に手を置いて、ホームポジションの上に指を置く、また膝の上に手を戻し、もう一度ホームポジションに置く・・・」の練習を繰り返しやって下さい。
キーボードを見ながらできたら、今度はキーボードから目を離してもできるかやってみて下さい。
若い人はほとんど問題ないと思いますが、今まであまり指を使ってこなかった中高年の人は一本一本の指を指定のキーに置くことが難しい場合があります。その場合は、時間をかけてゆっくりこの練習をやってみて下さい。
[Q] 練習する時に覚えておくべきことは何でしょうか?
[A] 次の三つは非常に重要なポイントです。
  1. 文字と指の動きを関連づけを意識しながら打つ。
  2. 練習中は間違えてもいちいち打ち直さない。
  3. 集中力が続くのは約1分。
[Q] 文字と指の関連づけとはどういうことでしょうか?
[A] キーを打つ時はいつも何の字を打っているのか意識しながら打つということです。その時キートップの文字を見るのではなく、頭の中でその文字を思い浮かべて下さい。声に出した方がいい人は「J」とか「K」とか言いながら打ってもいいでしょう。
[Q] ミスタイプは直してはいけないのですか?
[A] そうです。練習中に間違えをいちいちBSキーで直す人がいますが、それでは集中力が途切れてしまいます。また、ある字を間違って打つ、BSキーで消す、正しい字を打つ、という一連の動作が、その文字に対して習慣化しまうこともあります。
間違いは一連の練習が終ってからチェックすればよいのです。
[Q] 練習を長く続けてはいけないということですね。
[A] 練習で一番大切なことは「集中力」といってもよいでしょう。集中力が切れないように一連の練習を1分程度にするのが効率的な方法です。1分間打っては少し休み、間違いをチェックする。これを繰り返すのがよいでしょう。集中力がなくなっているのに惰性で練習を続けても効果はありません。



では練習に入ります。ワープロかエディタが使用可能な状態になっているものとします。
両手を丸めてホームポジションに置いて下さい。ホームポジションは左手が「ASDF」、右手が「JKL;」です。(図) 正しく置くと両手の人差指の間に「G」と「H」のキーが見えるはずです。

ホームポジションの打鍵

この位置で、まず右手で「JKL;」の順にキーを打って下さい。ゆっくりでも指が1本ずつ動けばしめたものです。はじめてキーボードをさわる人は、キーを押し続けて同じ字を何字も打ってしまいます。押すよりも離すタイミングが難しいのです。「押す」というより「叩く」感覚で1字ずつ「JKL;」と打ってみて下さい。
右手ができたら、左手もやってみましょう。左手は「FDSA」です。
薬指と小指は打ちにくいことが分かると思います。

人差指を伸ばして打つ

ホームポジションに指を置くと、両手の間に「G」と「H」が見えますが、今度はこれを打ってみます。「H」を打つには、右手の人差指を横に伸ばし、中指との間を開いて打ちます。同じように「G」は左手の人差指を横に伸ばして打ちます。

上段のキーを打つ

ホームポジションに指を置くと右手の上に「UIOP」のキーが見えます。これらのキーを打つには、左手をホームポジションに置いたまま、右手全体を上段のキーの上に移動します。打つ指だけでなく手全体を移動させることです。それができたら、右手をホームポジションに戻します。
この動作を手を見ないでできるようになるまで練習します。左手はいつもホームポジションにあるので基準になるはずです。

手を見ないで上段への移動ができたら、上段に移ったときにキーを打ってみます。打ち終ったら、右手をホームポジションに戻します。
  1. 右手を上段に移して、人差指で「U」
  2. ホームポジションに戻る
  3. 右手を上段に移して、中指で「I」
  4. ホームポジションに戻る
  5. 右手を上段に移して、薬指で「O」
  6. ホームポジションに戻る
  7. 右手を上段に移して、小指で「P」
  8. ホームポジションに戻る
これができたら、今度は「JUJ」「KIK」「LOL」「;P;」のように打ってみます。
  1. 人差指で「J」、右手を上段に移して、人差指で「U」
  2. ホームポジションに戻って、人差指で「J」
  3. 中指で「K」、右手を上段に移して、中指で「I」
  4. ホームポジションに戻って、中指で「K」
  5. 薬指で「L」、右手を上段に移して、薬指で「O」
  6. ホームポジションに戻って、薬指で「L」
  7. 小指で「;」、右手を上段に移して、小指で「P」
  8. ホームポジションに戻って、小指で「;」
段を移動する時は、打つ指だけ動かすのではなく、手全体を移すことがポイントです。

左手についても同じように打って下さい。

下段の打鍵

下段についても同様の練習をします。キーの配置を見て下さい。上段と下段では少し違いますね。中段キーと上段キーの間は四分の一キーだけずれているのに対し、中段と下段は二分の一キーずれています。
したがって、移動する方向が上向きと下向きで少し違うことになります。ずらす量が多いので、下段は上段に比べて多少打ちにくいでしょう。

下段についても上段と同じように練習してみて下さい。


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