1.3 「読み手に誤解を与えず,理解しやすい」チャートの条件

「読み手に誤解を与えず,理解しやすい」チャートとは,どのような条件を満たしたチャートであろうか. これは,例えばチャートの記号がドローイングソフトによって綺麗に書いてあるといった, 表現の表面的な事柄だけに注目していてはいけない(人が理解できないような記述はレビュー以前の問題であるが).

HCPチャートはプログラムの目的を階層構造で表現する設計図法である. HCPチャートでは,左側にプログラムの大きな目的を表現する項目を記述する. プログラムの大きな目的は,チャートの右にいくにしたがって具体的な手段に分解され,階層構造が構築される.

図 1.3.1 目的と手段の階層構造

このようなHCPチャートの大原則を踏まえ,「読み手に誤解を与えず,理解しやすい」チャートが満たすべき最低限の条件を 以下に示す.

逆に,上記に示した条件を満たしていない部分があるチャートは,「読み手に誤解を与え,理解しにくい」と考えられる.本書の章[不良の分類]の内容は,「読み手に誤解を与えず,理解しやすい」という条件を満たすのを阻害すると思われる 不良を分類し,それらの詳細について解説したものである.