0.1 はじめに
科目の目的
履修者各自がCNSのUnix環境を利用して,他人の閲覧にたえるWebサイトを制作す ることを,本科目の目的とします
注意
なお,本科目では複数のページから構成されるWebページの集合をWebサイトと呼び,1ページ単体を表すWebページという呼称とは区別します.例えば,今皆さんが読んでいるこのページはWebページと呼びますが,このページを含むオンライン教材全体に関してはWebサイトという呼称を使用します.
科目の内容
本科目では,Webサイトの制作を通して,コンピュータを用いたデジタルコンテンツ制作の基礎を学びます.履修者の皆さんには,1学期間をかけてWebサイトを制作してもらいます.制作するWebサイトは何でもよいというわけではなく,他人の閲覧にたえうるサイトを制作することが求められます.他人の閲覧にたえるサイトとは,サイトの閲覧対象者に対して,伝えたい内容が適切に伝わるサイトであると言えます(詳しくは,→6.4 Webサイトの批判的閲覧 を参照のこと).最終週では,皆さんが制作したWebサイトのプレゼンテーションを行います.
皆さんには,Webサイトの企画立案から設計,実装,評価という制作過程をトータルに経験してもらうことによって,デジタルコンテンツ制作の基礎を学んでもらいます.
科目の目標
本科目履修者は,以下の能力を身につけることが期待されます.
- 自分の制作したいWebサイトを企画し,企画書としてまとめることができる能力
- 企画書をもとに,Webサイトの設計を行うことができる能力
- 設計に基づいたWebサイトをHTMLを用いて制作することができる能力
- Webサイトの評価を行うことができる能力
その他
授業では,単に操作の仕方を覚えるのではなく,操作の背後にある概念,原理を理解するよう努めて下さい.技術の使い方だけしか覚えていないと,新しい技術や未知の技術に対応することができません.しかし,操作の背後にある概念を理解していれば,様々な応用がききます.授業中分からないところは先生,TA/SAに質問しましょう.
授業計画
- 制作準備編(第1週〜5週)
- Webサイトを制作していくための準備を行います.CNS(Campus Network System)の利用方法やタッチタイピング,WWWやコンピュータの仕組みや動作原理など,今後Webサイトを制作していくために必要な知識や概念,技術を習得していきます.各週の具体的な学習内容については,インデックス及び各週毎の「今週の学習内容と目的」をご覧下さい.
- 制作編(第6週〜11週)
- 制作準備編を通して習得した知識や技術を用いて,実際にWebサイトを制作していていきます.企画,設計,実装,評価という段階を踏むことによって,他者の閲覧にたえうるWebサイトを制作していきます.Webサイト制作を通して,デジタルコンテンツ制作の基礎プロセス(企画,設計,実装,評価)を習得することが、ここでの目的です.
- まとめ編(第12週〜13週)
- これまでの授業を振り返り,重要な点についての復習を行います.また,科目全体の総括として,第13週では皆さんが制作したWebサイトのプレゼンテーションを行います.次学期以降の履修案内もあわせて行います.
0.2 CNS利用上のマナー
皆さんがこれから使うSFC-CNSというシステムは,インターネットの一部を構成しています.SFC-CNSが提供しているネットワークでは多人数でシステムを共有しているので,正しい使い方をしないと大勢の人に迷惑をかけることになります.
そのため以下のことを必ず守って利用してください.
- SFC-CNSは教育,研究のためのシステムであることを理解し,それ以外の目的には使用しない
- コンピュータを使用しながら飲食をしない
コンピュータは精密機器であるのでホコリや水に弱い.食べ物のカスや飲み物はコンピュータを汚すばかりでなく故障の原因となる.コンピュータはSFCの共有資源であることを自覚し,このような行為は行わないこと. - コンピュータにログインしたまま放置しない
席に荷物を置いてコンピュータを占有したり,そのまま放置するなどの迷惑な行為は行わないこと.放置したためにファイルをすべて消されてしまったり,ファイルを盗まれたりするなどのトラブルも発生しているので注意すること. - ネットワーク経由のコミュニケーション(メール,掲示板,チャットなど)では,読む相手のことを配慮し,一方的な宣伝,チェーンメール,誹謗中傷,犯罪につながる情報の提供などは行わないこと
- 文章や画像の著作権には十分に留意し,コピーして使用する場合などは細心の注意をはらうこと
- ソフトウェアの著作権を尊重し,ソフトウエアの違法コピーはしないこと
- 他人のメールやデータを覗いたりして,プライバシーの侵害をしないこと
- SFC以外のコンピュータに事前の許可なくアクセスしようとはしないこと
- メディアセンターでのコンピュータの利用
メディアセンターでは多くの学生が勉強しているため,コンピュータを利用しながら大声で話をするようなことは迷惑となるので慎むこと. - その他,他人に迷惑のかかることは決してしないこと.
困った時は…
画面が真っ黒になったりコンピュータが動かなくなったりするなど、何かトラブルが起きて自分で手におえなくなった時は、スイッチなどに勝手に触らず、以下のいずれかに状況を説明し指示を仰ぐこと.
- CNSコンサルタント(内線52519)
- ITC(Information Technology Center)(内線52512)
0.3 演習で使うコンピュータ
SFCにあるコンピュータは,多くの人が共有して使えるために,通常のパソコンと少し異なる部分があります.自分の家などにパソコンがあり,その利用の仕方をよく知っていたとしても,SFCにあるコンピュータの利用方法とは異なる場合がありますので,先生の注意をよく聞いて利用してください.
コンピュータ各部名称説明
- ディスプレイ(Display): 画面表示装置のこと.モニタとか画面とか色々な言い方もあります.
ディスプレイは数分間マウスとキーボードに触れないと自動的に待機状態になります.画面が暗いときはマウスを少し動かしてみてください.それでも何も変化がない場合は,ディスプレイの電源が切られている可能性があります.自分でディスプレイ電源を入れ,使用後は電源を切ってください.
- キーボード(Keyboard): アルファベット,数字,記号が書かれた装置のこと.
キーボードにはアルファベット,数字,記号,特殊キー(Esc, Tab, Control,Shift, CapsLock, BackSpace, Enter)などたくさんのキーが並んでいます. アルファベットのキーは,そのまま押すと小文字,Shift キーと同時に 押すと大文字が入力されます.数字や記号は,各キーに2つずつ文字が書いてあります.そのまま押すと下の方の文字,Shift キーと同時に押すと上の方の文字が入力されます.キーを押し続けると,連続してその文字が入力されます.BackSpace キーを押すと,一つ前の文字が消去されます.行の終りではEnter キーを押すと,次の行へ移動します.その他のキーの操作については必要に応じて今後説明していきます.アルファベットと数字の配列はどのコンピュータでも同じですが,それ以外のキーはコンピュータによって位置や名前が違います.
- マウス(Mouse): 2つボタンと中央にホイール状のボタンがついていて,手で動かす装置のこと.以後この演習でこれらのボタンを押す操作は,左から順に左クリック,中クリック,右クリックと表現します.
- 本体: ディスプレイの横にあるのがコンピュータの本体です.
コンピュータ本体の電源(スイッチ)は常に入っています.障害の原因になりますので,自分では絶対に電源を切らないでください.
- CPU切り替え機: 本体とディスプレイの間にある,スイッチのことです.
これによって,OSを切り替えます.授業では主にUnixを使用しますので1.Unixというラベルが貼ってあるほうのスイッチを入れてください.
0.4 アカウント
アカウント
アカウント(account)とは,コンピュータを使用する際にその利用者を識別するために用意されているものです.アカウントは利用者一人につき一つずつ存在します.
それぞれのアカウントには名前が付いており,ユーザ名(user name)といいます.
ユーザ名を指定することにより,対応するアカウントを利用することができます.
ユーザ名のことをログイン名と呼ぶこともあります.
みなさんは既にそれぞれのアカウントに対するユーザ名とパスワード(password)を持っています.
ログイン
コンピュータの利用開始のことをログイン(login)といいます.
ディスプレイ(画面)に次のように表示されているはずです.
Login
password
ディスプレイが真っ暗な場合には,待機状態になっていますので,マウスを少し動かして,少し待ってみてください.それでも,ディスプレイが真っ暗な場合には,ディスプレイの電源スイッチが入っているかどうか確認してください.
この画面のことをログイン画面と呼びます.コンピュータを誰も利用していない状態では,このログイン画面が表示されています.
ここに自分のユーザ名とパスワードを入力してログインしましょう.
人にパスワードを知られないようにするため,入力したパスワードは表示されません.ログインするまでに10秒くらいかかることもありますので,画面が暗くなっても慌てないでください.ログインすると,次のように複数のウインドウが表示されます.
コンピュータを使い終ったら,ログアウトして次の人がそのコンピュータを使えるようにしないといけません.コンピュータの利用を終了するときにログアウト (logout)を行います.
ログアウトするには,以下のようにします.
左上にある``CONSOLE"と書かれているウインドウをコンソールウインドウ(console window)と呼びます.
このウィンドウはログアウトする時だけに使います.
ここでlogoutと入力するとログアウトします.
注意
ログインした時に最初に登場した4つのウィンドウ以外のウィンドウが開いているときは,必ずそれらを終了してからログアウトすること.
終了せずにログアウトをすると,コンピュータに負担がかかったままとなり,ネットワークの不調の原因にもなるので絶対にしないこと.
必ずログアウトしてから席を離れてください.ログアウトできなくなったら ITCもしくはCNSコンサルタント(内線52512,52519)に連絡してください.
パスワードの管理
パスワードは定期的に変更しましょう.
CNSでは3ヶ月以上更新しないとアカウントが停止されてしまいます.
パスワードの有効期限が近付くと,ログインした際に警告メッセージが表示されるので,期限までに必ず変更しましょう.
パスワードを変更するには以下のようにします.
% yppasswd yppasswd: Changing password for t01000tf Enter login(NIS) password: New password: Re-enter New password: NIS passwd/attributes changed on ns0 |
万一パスワードを忘れてしまった時は,学生証などの身分証明証を持って,メディアセンター1階のCNS/ERNSサービス窓口へ行き事情を説明してください.
本人であることを確認の上,新しい仮のパスワードが設定されます.そのパスワードでログインしたら,すぐにパスワード変更作業を行って新しいパスワードに変更しておきましょう.
マウスの操作
マウスを机の上で少し動かしてみて下さい.マウスの動きにつれて,画面上で X マークが動いているはずです.このマークは,ウインドウの中に入ると I や矢印に変わり,そのウインドウの枠の色が変わります.この画面上の X や I のマークのことを, マウスカーソル(mouse cursor)あるいは簡単にカーソル(cursor)といいます.マウスカーソルは指や時計などに変わることもあります.キーボードからの入力をしてみましょう.右下にある自分のログイン名が書いてあるウインドウを端末ウィンドウといいます.
このウィンドウにマウスカーソルを入れて,キーボードから文字を入力してみましょう.入力された文字がウインドウに表示されたはずです.入力された文字は,BackSpace キーを押せば,消えます.
ウィンドウの操作
- ウインドウの移動方法
マウスカーソルを移動したいウインドウの下の図のBの部分に持っていって,マウスの真中のボタンを押し,押したまま動かします.ボタンを押したままマウスを動かすことをドラッグと言います.するとウインドウの外枠に沿った大きさの点線を動かすことができます.好きな位置に動かし,ボタンをはなせば,新しい位置を決定することができます. - ウィンドウをアクティブにする
ウィンドウにマウスカーソルを持っていくと,枠の色が青から赤に変わります.こうすることで初めてそのウィンドウに入力ができる状態になります.この入力可能な状態をアクティブ(active)といいます. - ウインドウの重なりを変える方法
マウスカーソルを隠されているウインドウの図のBの部分に持っていき,左ボタンを押します.上にある邪魔なウインドウを下に持っていく方法もあります.マウスカーソルを下に持っていきたいウインドウの,前図のBの部分に持っていき,右ボタンを押すと,そのウインドウを一番下に持っていくことができます. - ウインドウの大きさを変える
大きさを変更したいウインドウの,前図のDのところにマウスカーソルを持っていき,マウスのボタンを押すと,外枠に沿った点線がでるので,そのまま動かします. - ウインドウの整理
画面上にたくさんウインドウがあると,繁雑で使いにくくなります.そこで,当面必要のないウインドウは,アイコンと呼ばれる小さなマークに変えることができます. 前図のCのところにマウスカーソルを持っていき,ボタンを押します.アイコンに変わったウインドウは,その上でマウスの左のボタンを押すと,また元の大きさのウインドウに戻ります.