3.2 ディレクトリ
ファイルの管理
前回emacsでファイルを作成し,保存したり再度読み出したりするところまではやりました.前回は高々数個のファイルしか作らなかったので,一度保存した後,ファイル名を覚えていられるので,読み出すときに困ることはありませんでした.しかし,扱うファイルが増えてくるとそうはいきません.このようなときはどうしたらいいでしょうか.
emacsではこのようなときのために,保存されているファイルの一覧を表示することが出来ます.
- C-x d と入力するか,マウスを使って[Files]→[Open Directory ...] と選択します.
- ミニバッファに Dired (directory): ~/ と表示されますのでそのままEnterキーを押します.
- そうすると次のようになります.
- 種別
- 通常のファイルは '-',ディレクトリは 'd' と表わされます.
- アクセス権
- そのファイルを誰が読み書きできるかということです.次回に詳しく説明します.
- 参照数
- そのファイルがディレクトリのエントリになっている回数です.
- 所有者
- 普通はそのファイルを作ったユーザが表示されます.
- 大きさ
- そのファイルの情報量を表わします.単位はバイトです.(情報量については後日詳しく触れます.)
- 更新日
- そのファイルが最後に変更された日です.
- ファイル名
- 自分で作るファイルには好きな名前を付けることができますが,日本語はソフトによって扱い方が違ったりしますし,記号の多くは特別 な意味で使われます.アルファベット,数字,'-', '.' だけを使うのが無難です.
ディレクトリ
扱うファイルの数がどんどん増えてくるにしたがって,ファイルの一覧を表示しても一画面に収まらなくなってきます.また例え一覧を表示させたとしても,たくさんのファイルの中から自分の必要とするものを見つけるのは大変です.
例えば下のようにファイルが並んでいたらどうでしょう.この中から目的のファイルを探すのは大変ですし,どこに何があるのかよく分かりませんね.
では,次のようにファイルが「意味のまとまりごと」に分類されていたらどうでしょう.
上の場合と比べると格段にファイルを探しやすくなりました.たくさんのファイルを意味のまとまり毎に整理するための引出しのようなものがあると,ファイルの管理が楽になります.
このファイルをいくつかまとめてしまっておく引き出しのようなものをディレクトリ(directory)と呼びます.
- CNS では,各ユーザにそれぞれホームディレクトリ (home directory)が割り当てられています.最初にログインした時は,そのホームディレクトリに位置しています(「位置している」という意味は後で説明します).この状態では作ったファイルは特に指定しない限りその中に記録されますので,他の人のファイルと混ざる心配がありません.
- 各自のホームディレクトリには,emacsのようなソフトウェアの設定などのためのファイルやディレクトリが既にいくつか用意されています.誤って消したり編集してしまわないように注意しましょう.
- ホームディレクトリの中に好きな名前のディレクトリを作り,ファイルを目的別や種類別に整理することができます.
● 練習問題
emacs で自分のホームディレクトリのファイルの一覧を表示し,その中にどんなディレクトリがあるのか調べてみましょう.