2004年度 修士論文
杉浦 学
慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士課程
本研究では「実用的なプログラムを作る能力」を育成するというプログラミング教育の意義を再考し,プログラムの設計を通じて「問題解決能力」と「情報伝達能力」を育成するための教育を提案する.
教育のコンセプトは「プログラム設計の論理構造」と「文書やプレゼンテーションなどのコミュニケーションの手段」の両者に「目的/手段の構造が整理され,人間に理解しやすい」という評価の視点を採用することである.これにより,問題の解決策を論理的に考えるための訓練と,第三者に対して正確に情報を伝達するための表現の訓練を効果的に実践することができると考える.
教育方法として,1)HCP チャートを用いて目的/手段の構造を表現する 2)分類されたレビューの項目を用いて,受講者同士がHCP チャートを相互にレビューする という実習を採用した.
この教育方法を評価するために実験授業を実施したところ,相互レビューによって受講者の設計の質が向上し,情報伝達能力の育成にも効果があることが確認できた.