2003年度修士論文

インハウスにおける現場ユーザと協調した開発アプローチと開発支援ツール

小林 孝弘

慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士課程

crew-info@sfc.keio.ac.jp

概要

近年、ユーザが快適に利用できるシステムが少ない。その理由として、ソフトウェア開発の現場においてアウトソーシングが横行し、ユーザと開発者の関係が疎遠になってしまっていることが挙げられる。

ユーザが快適に利用できるシステムを開発するには、インハウスにおいてユーザと開発者が密に協調した開発を行う必要がある。作成されるシステムは、ユーザの仕事をより快適なものにするための良き手段とならなければならない。そしてそのようなシステムの開発は、それを実際に利用するユーザの参加なしには成し得ない。

OCD(On-site-user Collaborative Development)は、インハウスの利点を活かし、ユーザと協調して業務支援システムを開発するための開発アプローチである。その目的はユーザの業務を快適にする有効な手段となる、ユーザが快適に運用できるようなシステムを開発することである。OCDでは、システムを分割し、反復的に要求を収集し、その中で現場ユーザを教育することによりこの目的を達成する。

Toriaezerは、日本語によるシステムの要求定義からJavaのソースコードを生成することにより、動作可能なシステムを素早く作成することを可能にするツールである。ToriaezerはOCDにおけるユーザから反復的に要求を収集する過程において非常に効果的である。

本文

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