慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下、SFCと略す)では、プログラミングの授業の履修がほぼ必修となっている。しかし、授業履修後に自力でプログラムを書けるまでになる学生の割合は極めて低いといえる。授業履修後プログラムを書けるようになる学生と書けない学生の違いは何であろうか。
その理由の一つとして、‘プログラミング’をパソコン・ツールの一つとして捉え、履修前に既に苦手意識を抱いてしまっていることが挙げられる。
しかし、私は全ての学生にプログラムを書けるようになってもらいたい。なぜなら、プログラミングというのは、計画・実装・評価・再構築のプロセスを指すのであり、そのプロセスは、コンピューターの世界のみに限らず、‘ものをつくる’ということ全てに共通しているからだ。
そこで、プログラミングに苦手意識を抱いていた私自身の経験から、学生がプログラミングを苦手とする原因を分析し、それに対してどのように対処すればよいのか、具体的な方法を提示する。そして、プログラミングに対して苦手意識を抱いている学生も楽しめるようなプログラミングの授業を提案していく。
研究会での様々な経験を通じて、私自身の、プログラミングに対して苦手意識を抱いていた原因がよりリアルに、明確となっていった。そこで、この論文はプログラミングに対して苦手意識を抱いている学生にぜひ読んでいただきたい。プログラミングの考え方というのがいかに汎用的で重要なものであるか、そしてその考え方を習得する上でなぜプログラミングが最良の題材であるのかを少しでも理解していただければとても幸いである。
プログラミングに苦手意識を抱く学生を対象としたプログラミング授業の提案(pdf 307KB)
MindStormsを利用したプログラミング授業(pdf 323KB)