0.テーマ

• 　本研究会では，　『「メッセージを伝える教育」の創造』　というテーマで，「1.モノを創造するプロセス[企画→設計→実践→評価]で授業を創造する実践」　と　「2.教育学[教育原理・教育評価・教育心理・教育方法]の勉強」を通して，「教育の目的・手段を意識し，教師と生徒の両者の視点から，評価・改善できる授業・教材を創ることができる人」を育成する．授業の設計や実践の上で，教師から生徒に，どのようなメッセージをどのように伝えるかを考えることが大切になる．その一方で，授業の実践や評価の中で，生徒から教師に対しても何らかのメッセージを発している．その生徒から教師へのメッセージがどのようなもので，どのように伝えているのかを理解することも大切である．教師から生徒にメッセージを伝え，生徒から教師へのメッセージを理解する授業と言うものを，評価・改善を繰り返しながら考えていく．
  • 　「どのようなメッセージを生徒に伝えたいのか」（＝教師視点の目的）を考える
  • 　「どのようにメッセージを生徒に伝えたいのか」（＝教師視点の手段）を考える
  • 　「どのようなメッセージを教師に伝えているのか」（＝生徒視点の目的）を理解する
  • 　「どのようにメッセージを教師に伝えているのか」（＝生徒視点の手段）を理解する

1.目的

• 　今期の研究会は，下記のような力を持つ人を育成することを目的とする．
  • 　教育の目的・手段を意識し，
  • 　教師・生徒の両者の視点から，
  • 　評価・改善できる，
  • 　授業・教材を創ることができる．

2.授業形式・形態

• 　創造したい教育のテーマを決め，授業を創る（授業実践）
  • 　授業中
    • 　模擬授業の実践，評価，議論をする
  • 　授業外
    • 　模擬授業の改善，企画，設計をする
  ※個人かグループで好きなテーマで行う

• 　教育学に関する文献の輪読か教育をする（基礎勉強会）
  • 　授業中
    • 　教育学（教育原理・教育評価・教育心理・教育方法）の基礎勉強会の発表をする
  • 　授業外
    • 　教育学（教育原理・教育評価・教育心理・教育方法）の基礎勉強会の準備をする
  ※グループで割り振られた任意のテーマで行う

3.授業スケジュール

• 　下記のようなスケジュールを予定しているが，履修者の人数により大幅に変更する可能性がある．

  時限	内容
  	前半	後半
  01回目授業	オリエンテーション(研究会の目的・授業の進め方説明，履修者確定，勉強会グループ決め，勉強会文献紹介)
  02回目授業	はじめに(教育[授業・教材]の創造の手法[インストラクショナルデザイン]の講義，授業実践テーマ・グループ決め)
  03回目授業	授業実践(Aグループ：1回目実践，他グループ：受講・評価・議論)	基礎勉強会(1グループ：発表，他グループ：受講)
  04回目授業	授業実践(Bグループ：1回目実践，他グループ：受講・評価・議論)	授業実践(Cグループ：1回目実践，他グループ：受講・評価・議論)
  05回目授業	授業実践(Bグループ：2回目実践，他グループ：受講・評価・議論)	基礎勉強会(2グループ：発表，他グループ：受講)
  06回目授業	授業実践(Cグループ：2回目実践，他グループ：受講・評価・議論)	授業実践(Aグループ：2回目実践，他グループ：受講・評価・議論)
  07回目授業	ふり返り(研究会前半を振り返り，今後どのようにまとめるか考える)
  08回目授業	授業実践(Cグループ：3回目実践，他グループ：受講・評価・議論)	基礎勉強会(3グループ：発表，他グループ：受講)
  09回目授業	授業実践(Aグループ：3回目実践，他グループ：受講・評価・議論)	授業実践(Bグループ：3回目実践，他グループ：受講・評価・議論)
  10回目授業	授業実践(Aグループ：4回目実践，他グループ：受講・評価・議論)	基礎勉強会(4グループ：発表，他グループ：受講)
  11回目授業	授業実践(Bグループ：4回目実践，他グループ：受講・評価・議論)	授業実践(Cグループ：4回目実践，他グループ：受講・評価・議論)
  12回目授業	まとめ(研究会の成果を発表，最終レポートのまとめ方相談)
  13回目授業	予備

  ※上記のスケジュールは授業実践のグループが3グループの場合の例

4.評価方法

• 　学期末に期末レポートを出してもらう．期末レポートに加えて，次の3点を総合的に評価する．
  • 　授業中の議論・評価への貢献度と積極性
  • 　授業実践の取り組み方
  • 　基礎勉強会の取り組み方

5.履修条件

• 　次のどれかに当てはまれば，基本的に誰でも構わない．
  • 　教師になろうと考えている人
  • 　教職の免許を取ろうと考えている人
  • 　教育に興味・関心・意見を持っている人
  • 　教材作成を行いたい人
  • 　実際に授業を実践してみたい人
  • 　ものつくりの技能を身につけたい人
  ※履修を希望する人は，第1回目の授業に参加すること．
  ※第1回目の授業に参加して履修を決断してよい．
  ※事前の連絡は必要ない．教育に対して熱意のある学生を求む．

6.受入予定人数

• 　基本的に全員受け入れる．

7.最低受入人数を超えた場合の選考方法

• 　多すぎる場合は，第1回目の授業で選抜をする可能性がある．

8.参考文献

• 　特になし

9.関連プロジェクト

• 　特になし

10.課題

• 　特になし

11.先学期までの内容の紹介と今学期の内容との比較

• 　先学期までは，情報教育というテーマで授業を[企画→設計→実践→評価]のプロセスで創造することを中心として授業実践を行ってきた．今までに研究会の授業中に取り扱っていたテーマには下記のようなものがある．
  • 　SFCの情報処理教育を改善する
  • 　情報倫理教育を考える
  • 　SqueakやMind Stormsといった楽しい環境でプログラミングを教える
  • 　初心者・中高年にコンピュータを教える教育を考える
  • 　デジタルデザイン教育を考える

• 　また，授業外に下記のようなプロジェクトのプロデュースを行った．具体的には，プロジェクトのマネジメント，カリキュラム・教材作り，環境構築，インストラクター，ティーチングアシスタントなどの活動を行った．
  • 　藤沢市御所見公民館主催 「中高年向けパソコン教室」のプロデュース
  • 　NPO鎌倉子育てガイド主催 「小学生向けホームページ作成講座」のプロデュース

• 　今学期からの内容で，先学期までと大きく異なることは2点ある．「(1)教育学の理論を学ぶこと」と「(2)教育テーマを情報教育に限らないこと」である．
  • 　「(1)教育学の理論を学ぶこと」
    • 　これまでの研究会は，授業実践を内容の中心としてきた．授業実践を行う事は，授業を行う力をつける為に大切なことである．しかし，実践を行うだけでは，自己の中で完結してしまうだけに留まってしまう恐れがある．先人達の考えた理論を学び，その理論と実践を結び付けながら新しい教育というものを考えていきたい．具体的には，文献を読み，文献の内容をお互いに教育し合うことを考えている．
  • 　「(2)教育テーマを情報教育に限らないこと」
    • 　これまでの研究会は，情報教育というテーマに絞り込み授業を創造してきた．[企画→設計→実践→評価]のプロセスで授業を創造することは情報教育というテーマに適していると考える．しかし，このようなプロセスで授業を創造する考えは，授業を評価し，より良い授業へ改善するという観点から，どのような教育テーマでも可能であり，大切なことである．また，SFCで教職課程も始まり，教育に関心のある学生（特に授業を行う力を付けたいと思う学生）は多くいると思う．そこで，今学期からは，どのような教育テーマでも構わない．

12.連絡先

• 　履修に関する質問・疑問・要望を下記のメールアドレス宛でお持ちしております．
• 　月曜5限の研究会や研究室への見学もお持ちしております．お気軽にメール下さい．
  • 　矢島祐樹(crew-info@sfc.keio.ac.jp)
  • 　大岩研究室(i308)

13.研究室ホームページ

• 　https://crew-lab.sfc.keio.ac.jp/