第二回 講義補足(JBuilderの使い方)
このページでは、第二回講義で行われた「JBuilder」の使い方をより詳しく解説し、インストールからプログラムのデバッグまでのやり方を紹介したいと思います。
JBuilder をインストールしていない人は、まずインストールする必要があります。インストールに必要なファイルは以下のページにあるので、参照してください。
インストール後、スタートメニューより実行すればJBuilderが起動します。
「スタート」→「プログラム」→「JBuilder4 」→「JBuilder 4」
プロジェクトとは、JBuilderでプログラムを作るときの作業環境です。一つのプログラムは様々なファイル(ソースファイル(.java)、クラスファイル(.class)やイメージファイル(.gif,.jpgなど)を一まとめにすることで管理をしやすくします。そのため、JavaのプログラムはJBuilderにおいては必ずどれかのプロジェクトに属します。
まず、新規プロジェクトを作ってみましょう。「ファイル」「新規プロジェクト」を選択してみてください。
クリックすると、以下のような「プロジェクトウィザード」のウィンドウが出てきます。プロジェクト名はデフォルトでは「untitle1」などになっていると思いますが、これは好きなように変更してください。以下の例では、プロジェクト名を「myproject」にしています。
プロジェクト名を変更したら、「終了」のボタンを押してください。
3.クラスの作り方
続いて、クラスを作成してみましょう。「ファイル」「新規クラス」をクリックして下さい。
クリックすると、以下のようなウィザードが出ます。ここで、注意するべきなのは、このような事です。
・パッケージの欄は空欄にしてください。
・クラス名は好きな名前を入力してください。ここでは「MyClass」という名前にしています。
・親クラスは、「java.lang.Object」を選択してください。
・オプションの中の「main関数の作成」をチェックしてください。これをチェックすることでmain()メソッドが自動的に作成されます。
以上の操作を行ったら、「OK」ボタンを押してください。
「OK」ボタンが押されると、以下のような画面になります。画面左側の方で「MyClass.java」というファイルができているのが分かります。また、画面右側には「MyClass.java」のソースが表示されます。以後は、この画面を使ってプログラムを書いていくことになります。
では、簡単なプログラムを書いてみましょう。画面右側のソース画面で、以下のようなプログラムを入力してください。
public class MyClass{
public static void main( String args[] ){
System.out.println("自動販売機が開始しました");
}
}
ここでプログラムを書く際に、「コード・イン・サイト」機能を使ってみましょう。
System.out.println("自動販売機が開始しました"); を入力する際に、「System」と入力してから「.」を入力した時点でちょっと待ってみましょう。以下のような画面が出てくるはずです。
ここでは「System」と入力してから「.」を入力して、待つことで、「System」クラスの選べる変数とメソッドが出てきます。ここから選択することでタイプミスを減らすこともできますし、何よりも便利です。
なお、この欄が出てきてから「o」と入力すると、以下のような画面になります。つまり、「System」クラスの選べる変数とメソッドの中で「o」から始まるものが表示されます。ここでは「o」から始まるのは「out」だけなので、以下のようになります。ここでリターンキーを押すと、「System.out」で確定します。試してみてください。また、同様に「System.out.」と入力して少し待つと、選択可能なメソッドと変数がまた出てきますので、「println()」を選択しましょう。
ここまでで、「System.out.println()」を入力しました。ここで少し待つと、以下のような「println()」というメソッドに入力できる変数型が出てきます。ここで表示される変数型に適応するようにプログラムを書かなければいけません。ここでは「"自動販売機が・・・"」という文字列を入力しようとしていますが、これは「String」型に一致します。
では、書いたプログラムを実行してみましょう。JBuilder では、一つのボタンを押すことで
・変更したソースコードの保存
・コンパイル
・実行
を自動的にやってくれます。
ただし、プロジェクトを作成して初めてプログラムを実行するときだけは、mainクラスを設定する必要があります。
実行する際には、「実行」「プロジェクトの実行」を選択します。あるいは、ただ単に「F9」のキーを押すだけでも大丈夫ですし、画面上部に並んでいるうちの「緑色の矢印ボタン」をクリックすることでも実行できます。
初回実行時には、以下のような「実行時のプロパティ」画面が出てきます。ここで、実行するメインクラスを指定する必要があります。
なお、この画面が出てこない人は、「プロジェクト」「プロジェクトプロパティ」を選択した上で「実行」タブをクリックすると同じ画面が出てきます。
メインクラスを選択するには、「メインクラス」と書いてあるところの右側のボタンを押してください。「・・・」と書いてあるボタンのことです。そうすると、以下のような「プロジェクトのメインクラスの選択」というウィザードが出ます。ここで、今あなたが作成しているクラスを選択してください。ここでは、下の方にある「MyClass」を選択します。選択したら「OK」ボタンを押してください。
以上の設定を行った上で実行すると、下の方にコマンドラインが表示されて「自動販売機が実行されました」という文字が表示されます。
デバッグとは、プログラムのバグを取り除く行為のことを言います。そして「デバッガ」とは、デバッグを手助けしてくれるツールのことを指します。「デバッガ」の機能としては以下のようなものがあります。
・プログラムを一行ずつ実行することができます
・変数の中身を見たりできます
しかしプログラムを最初から一行ずつ実行していると、調べたいところにくるまでに膨大な時間がかかってしまいます。そこでプログラムをスタートさせて、調べたいところでプログラムを停止させて、そこから詳細に調べたいと一般的には考えます。その停止させる場所のことを「BreakPoint」と言います。
デバッガを使うためにはこの「BreakPoint」を設定してから使わなければなりません。「BreakPoint」を指定しなければ、デバッガを使ってもどこにも止まらずに最後までプログラムを実行してしまいます。
「BreakPoint」を設定するためには、ソースのウィンドウの左側のバーをクリックします。例えば 「int i=0;」の部分を「BreakPoint」として設定するためには、赤丸の部分をクリックする必要があります(クリックする前にはもちろん赤丸は表示されていません。クリックすることで赤丸が出ます)。
デバッガを起動するためには、以下の画面のように「実行」「プロジェクトのデバッグ」とクリックするか、「Shift + F9」と押すか、あるいは画面上部にある「緑色の矢印の右下に白い四角が重なったようなボタン」をクリックしてください。
デバッガが起動すると、Break Point のところで処理が止まります。ここからできるデバッガの機能は、以下の三つです。
・ステップオーバー
一行実行します。その一行がメソッドの場合は、メソッドを全て実行します。
・ステップイン
一行実行します。その一行がメソッドの場合は、メソッドの中に入って処理を見せます。
・ステップアウト
現在のメソッドを最後まで実行し、メソッドの外に出ます。
以下の画面は、デバッガが起動して「int i=0;」の行で停止しているところです。ここで画面下部の赤丸で囲まれた三つのボタンを押すと、説明した三つの機能を使えます。左のボタンから順番に「ステップオーバー」「ステップイン」「ステップアウト」の機能にあたります。
また、停止した時点での変数の中身を見たいときには、画面左下のボタンを押してみてください。「糸巻き」のようなボタンで、以下の画面では青丸で囲ってあります。
何かわからないこと、質問等は
TA 松澤芳昭 crew-info@sfc.keio.ac.jpまでどうぞ。