情報教育論 講義ノート・第5回(01/11/12)

記号論に基づくメディアテクスト分析


今日の講義内容


01・メディアテクスト分析の方法としての記号論
02・記号論的分析の実践




01・メディアテクスト分析の方法としての記号論


・「記号論の視点」のキーワード
 − 記号、メッセージ
 − メッセージとコード
 − コード化された表現
 − メタメッセージ(コノテーション)
 − コードとコンテクスト
 − 「受け手」の位置づけ


・記号論的分析の一般的な目的
 → 分析対象の「記号としての効用」を明らかにする
 → メッセージ解読の「暗黙の前提(支配的なコード、コードを支える価値観、etc.)」を明らかにする


・記号論的分析の一般的な手続き
 → 「現実の読み手による解読」を解読する


  1. 対象の発する(であろう)メッセージの記述
  2. メッセージを形成する記号(=コード化された表現)の発見
  3. コード化を可能にするコード、コードを支える価値観の推測・記述



02・記号論的分析の実践


・“この写真”からは、どのような印象を受けるか

写真1

・テキストとの組み合わせにより、写真の発するメッセージはどう変わるか


テキスト1


全体像

・広告全体のメッセージとコード化された表現との組み合わせとしては、いかなるものが見いだされるか
 − <「カジュアル」>
 − <みんなの...>
 − <活動的、快適>
 − <シンプル>
 − <着る人自身のスタイル>


・コード化された表現は、いかなる表現技法によって支えられるか(メッセージに“関与的”な表現技法)
 − 写真の大きさ
 − 色彩
 − フォントの種類・色・大きさ
 − 写真とテキストの配置
 − 背景色との対比


・オルターナティブな表現として、どのようなものが考えられるか。また、そのような表現を導入することで、メッセージはどのように変質するか


・この広告は、全体としていかなるメタメッセージを伝えるか。また、そのメタメッセージはいかなる価値観によって支えられているか


・そのような価値観が前提とされることで、広告の表現全体からは何が排除されているか


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