第12回 今学期のまとめ


12.1 今週の学習内容と目的

学習内容

  1. CNSを継続的に利用していく上で知っておくべき事柄を理解する
  2. Webサイト制作過程でのチェックポイントを整理する

学習の目的

今週はCNSを継続的に利用していく上で必要不可欠な事柄を整理しましょう.CNSガイドにもCNSについての情報が掲載されています.より詳しく知りたい事柄がある場合にはそちらも読むことをお勧めします.

また,Webサイト制作過程でのチェックポイントを改めて整理します.もう一度初心に戻り,自分のWebサイトをチェックしましょう.来週の発表や,レポートを書く際のヒントにもなるはずです.

12.2 CNSの継続的な利用に伴う諸注意

パスワードの管理

CNSでは3ヶ月以上パスワードを更新しないとアカウントが停止されてしまいます.最初にパスワードを決めて以来,変更していない人はそろそろ期限が迫っています.パスワードの有効期限が近付くと,ログインした際に警告メッセージが表示されるので,期限までに必ず変更しましょう. パスワードの変更には yppaswd コマンドを使います.→0.4 アカウント
パスワードの定期的な変更はネットワークセキュリティ上非常に重要なことです.期限が迫って促される前に変更しておく習慣をつけましょう.→5.5 セキュリティ

ディレクトリの整理

今学期のこれまでの作業で,CNSのホームディレクトリの中に様々なファイルが出来たと思います.ファイルは内容や種類ごとにディレクトリを作り,分類して保管しましょう.また各ディレクトリの中でも,ファイルの用途や性質によって階層化させて保管しておくと,検索や整理の際に便利です.→3.2 ディレクトリとツリー構造

これから具体的なファイルの容量制限や,圧縮などの整理の方法について説明します.

容量制限

CNS で個人が利用できるファイル空間の容量は最大1ギガバイト, 100000ファイルまでです.
容量制限を越えるとログイン時に警告メッセージが出ます.

一週間以内に制限以下にファイルを減らさないとログインできなくなります.
現在の自分の使用量を知るには quota コマンドに -v オプションを付けて実行します.

% quota -v
Disk quotas for t03000tf (uid 00000):
Filesystem     usage  quota  limit    timeleft  files  quota  limit    timeleft
/a/fs0701a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0501a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0502a    237773 1024000 1536000               4540 100000 150000

/a/fs0503a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0702a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0601a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0711a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0512a        13    100    100                  4    100    100
/a/fs0602a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0612a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0611a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0703a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0511a         0    100    100                  0    100    100
/a/fs0603a         4    100    100                  1    100    100
      

左から2つ目の usageの欄が,自分が使用している量で単位はバイトです.右から4つめの files欄が自分が持っているファイル数を表します.またtimeleft欄は制限を越えた際に,あと何日でそれらを制限以下に収めないといけないかを示します.

ディスクはみんなで共用しています.容量制限に達していなくても,不必要なファイルはこまめに消しておきましょう.→4.2 情報量

自動的にできるファイル

作った覚えのないファイルができていることがあります.これは,コマンドを実行した時に,バックアップや処理経過の記録のために作られるファイルです.次のようなものがあります.

注意注意
CNS では,# で始まるファイルと core というファイルは,一定期間経つと自動的に消去されます.core という名前で大事なファイルを作らないようにしましょう.

ファイルの整理

ホームディレクトリのファイルを整理するには,ls や rm などのコマンドを使って行うのが普通です.

また,emacs の dired モードを使う方法も便利ですので紹介しておきます.

  1. C-x d 又は,[Files]→[Open Directory ...] とします.
  2. ミニバッファに Dired (directory): ~/ と表示されますので,整理したいディレクトリを指定します.
  3. ファイルの一覧が表示されたら,Mew で不要なメールを削除するのと同じ要領で,不要なファイルのところにカーソルを移動させ,d 又は,[Mark]→[Flag] を実行すると,左端に「D」マークがつきます.
  4. # 又は,[Mark]→[Flag Auto-Save Files] を実行すると,前後に # がついたファイル全部に「D」マークがつきます.
  5. ~ 又は,[Mark]→[Flag Backup Files] を実行すると,~ で終わるファイル全部に「D」マークがつきます.
  6. x を押すと,「D」マークをつけたファイルの一覧が表示され,本当に消してよいか聞いてきます.
  7. yes と答えると,削除されます.

消す前にファイルの内容を確認したい場合は,次のようにします.

テキストファイルの場合
そのファイルのところにカーソルを移動させ,[Immediate]→[View This File] v を実行すると,view モードでファイルを表示します.このモードでは編集はできませんが,SPCで次の画面へスクロールし,q でバッファを消去して元の状態に戻ります.
画像ファイルの場合
そのファイルのところにカーソルを移動させ,[Operate][Shell Command...] ! を実行し,ミニバッファで画像表示用のコマンド(普通は xv)を指定します.すると,emacs は停止状態になり,画像表示コマンドが起動します.画像表示コマンドを終了させると,emacs が再開します.

● 練習問題

自分のホームディレクトリにあるファイルをディレクトリに分けて整理しなさい.また,不要なファイルを全て削除し,quota コマンドでファイル容量が減っているかどうか確認しなさい.

ファイルの圧縮

あまり使わないファイルは,圧縮して置いておくと,ファイル容量を節約できます.

dired モードでは,そのファイルのところにカーソルを移動させ,[Operate][Compress]Zを実行します.すると,ファイルが圧縮され,ファイル名の後ろには圧縮ファイルの印である .gz が付きます.元に戻すには,もう一度同じ操作をします.

ファイルのバックアップ

誤って削除したファイルは二度と復活できません(ただし,emacs で編集している場合は,~ が付いたファイルが残っているかもしれません).重要なファイルはバックアップを作っておきましょう.

12.3 Webサイト制作のチェックポイント

Webサイト制作における主目標

まずはこの授業で作ったあなたのWebサイトは以下の2つの目標を達成しているか考えてみましょう.

  1. 「他人が見に来てくれるWebサイト」だろうか?
  2.  
  3. 「何かしら他人にとって有益なWebサイト」だろうか?

公開する情報について

次にあなたのWebサイトに掲載し,公開する情報について以下のような注意点が守られているかをチェックしましょう.

  1. 不特定多数の人に見られてもいい情報か?(自分の住所,電話番号等)
  2. 情報を載せることによって不利益をこうむる人はいないだろうか?(他人の非難中傷)
  3. この情報に関して自分で責任は取れるのだろうか?
  4. 著作権を侵害するような内容を含んでいないか?

それぞれの制作過程におけるチェックポイント

最後に制作過程の各段階においてのチェックポイントを整理してみましょう.

  1. 企画について
    • 目的や対象者などの企画の項目は明確だろうか?
    • 当初のスケジュールは妥当だったか?
  2. 設計について
    • 文章は構造化されていて,読み手にとって分かり易いか?
    • ナビゲーションを考慮した設計がなされているか?
    • アクセシビィリティを意識した設計になっているか?
    • 内容のグループ化が明確にされているか?
    • ページごとの設計は適切か?
      • 閲覧対象者を明確に設定したか?
      •  
      • 他のページとの一貫性は保たれているか?
      •  
      • 画像と文章のバランスは適切か?(大きな画像などをむやみに使用していないか?)
      •  
      • 色のコントラストは適切で読みやすいか?
      •  
      • 視覚的な強調をむやみに行っていないか?
      •  
      • 縦幅,横幅は長すぎないか?
  3. 実装について
    • 構造に応じて適切なHTML要素を適用しているか?
    • スタイルシートを有効に活用し,デザインと構造の分離を実現しているか?
  4. 評価について
    • グループ討論の結果を自分のWebサイトに反映できたか?
    • 他人のWebサイトに対しても批判的閲覧を行えたか?