4.3 OSについて

これまでの演習では主にUnixというOS(Operating System)の環境下で行ってきました.既に他のOSに馴染みがあった人には戸惑いを感じている人がいるかもしれません.

皆さんが授業で利用しているコンピュータは,Unix以外にWindowsと呼ばれるOSの2種類を使うことができます.Unix環境とWindows環境とでは見た目だけでも様々な違いがあります.これまで授業では,特に詳しい説明を行うことなしにUnix環境を利用してきました.ここでは,UnixやWindowsといったOSが一体どのようなものであるのかということについて簡単に説明を行います.

コンピュータの特徴として,ユーザの目的・用途に合わせた利用が可能であるということが挙げられます.私たちは,文章を書きたいと思ったときにはテキストエディタやワープロソフトを起動し,メールを書きたいと思った時にはメールソフトを起動し,音楽を聴きたいと思った時にはCD再生ソフトを起動します.このように,コンピュータ上では様々な目的・用途に合わせた多数のソフトウェア(プログラム=コンピュータにさせたい処理を書いたものの集まり)が用意されており,逆に言えばソフトウェアがなければコンピュータはただの箱でしかありません.ソフトウェアは私たちがコンピュータにさせたい仕事をコンピュータが理解できる言語(プログラム言語)で書き表したものであり,ソフトウェアを実行することによって,私たちは様々な仕事をコンピュータにさせることができます.しかし,私たちがコンピュータ上で様々なソフトウェアを利用するためには,単にソフトウェアをコンピュータ上に用意しておくだけでは不十分です.

授業で皆さんがコンピュータを用いて文章作成を行う際には,emacsという文書編集ソフトウェアを起動します.その際皆さんは,コマンドプロンプトに続けて「emacs &」と入力し,Enter キーを押すでしょう.また,皆さんがWindowsを搭載したコンピュータを持っていれば,例えばWordと呼ばれる文書編集ソフトウェアを起動するために,アイコン(図形によって表現された要素)をマウスでクリックすることでしょう.このように,私たちがソフトウェアを使ってコンピュータになんらかの仕事をさせようと思った時,ソフトウェアを起動することが必要となります.しかし,コンピュータ自体はemacsを起動することはできません.先ほども述べたように,ソフトウェアがなければコンピュータハードウェアはただの箱でしかありません.そこで,コマンドプロンプトに対する「 emacs & 」という入力を受け,emacsを起動するためのソフトウェアが必要となります.これがOS (Operating System)と呼ばれるソフトウェアで,基本ソフトウェアなどと呼ばれています.

つまりどんなOSでもユーザの要求に応じて必要となるソフトウェアを起動しているという点では同じなのです.

UNIX Windows

Windowsでのディレクトリ操作

先週Unixにおいてファイルの操作を学びましたが,OSが異なるWindowsでも同じような操作ができます.

Windowsでは,ディレクトリ構造に従ってフォルダとファイルを表示し,ファイルを管理するエクスプローラというソフトウェアが存在します.スタートボタンで右クリックして,エクスプローラを選択してください.左ににツリー構造,右に現在参照しているフォルダの中身が表示されます.

左のツリー構造は,フォルダ名の左にあるマークをマウスでクリックするか,矢印キーの「→」「←」を押すことで,さらにその下のフォルダを展開したり隠したりします.

● 練習問題

CNSのホームディレクトリにあたる,Z:(Zドライブ)のところをクリックし,ファイルの一覧を表示させてみましょう.先週の授業や宿題で自分が作ったディレクトリがちゃんとあるかどうかも確認しましょう.

ファイルの操作

ファイルのコピー
Unixでは cp コマンドに相当する,ファイルのコピーはエクスプローラでは,コピーしたいファイルを選択した上で C-c と入力したあと,コピー先で C-v とするか,もしくはマウスの右クリックで「コピー(C)」とし,コピーしたい場所で「貼り付け(P)」とすればできます.
ファイル名の変更
Unixでは mv コマンドに相当する,ファイル名の変更は,変更したいファイルを選択した後,マウスでファイル名を一度クリックするか,右クリックで「名前の変更(M)」を選択するとファイル名を入力する状態になります.ここに新しいファイル名を入力すると変更されます.
ファイルの移動
Unixでは mv コマンドに相当する,ファイルの移動はエクスプローラでは,移動したいファイルを選択した上で C-x と入力したあと,移動先で C-v とするか,もしくはマウスの右クリックで「切り取り(T)」とし,移動先の場所で「貼り付け(P)」とすればできます.
ファイルの削除
Unixでは rm コマンドに相当する,ファイルの削除は,削除したいファイルを選択し,Del キーを押すか,もしくはマウスの右クリックで「削除(D)」を選択すると一度確認画面が現れ,「はい(Y)」を選択すると削除されます.

● 練習問題

今まで説明したファイルのコピー,ファイル名の変更,移動,削除といった一連の操作を,CNSのホームに先週作ったファイルで試しにやってみましょう.

フォルダの操作

新しいフォルダの作成
Unixでは mkdir コマンドに相当する,新しいフォルダを作成は,フォルダを作成したいウィンドウ上の何もないところで、マウスの右ボタンをクリックします。表示されたメニューの中から「新規作成」をクリックし更に「フォルダ」を選択します。すると「新しいフォルダ」という名前のフォルダのアイコンが現れるので,続いてフォルダ名を入力し,Enterキーを押してください。
フォルダ名の変更
フォルダ名の変更は,ファイル名の変更と同じようにできます.
フォルダの削除
Unixでは rmdir コマンドに相当する,フォルダの削除は,ファイルの削除と同じようにできます.

● 練習問題

  1. Z:(Zドライブ)上に"NewFolder"というフォルダを作成し"ipl_windows"という名前に変更しましょう.
  2. このようにファイルをWindowsで操作しましたが,結果は当然Unixで見たときも同じように反映されているはずです.CPU切り替え機を使ってUnix環境に戻ってみて,ls コマンドなどで,今行った変更どおりになっているかどうか確認しなさい.
  3. 時間・余力がある人は,Unixでファイルの操作を行い,それらの結果がWindows上でも同じように反映されているか確認してみましょう.