CABDとは?

☆コンセプト

  「CABD」(Computar Aided Basic Design)とは、デジタルデザイン初心者のためのドロー系作画ソフトウェアである。デジタルデザインは、3次元情報表現の環境が整備されてきたことにより、今後建築設計や工業デザインなど様々な分野で応用されていくことが予想される。しかし、実際にコンピュータを駆使してデジタルデザイン表現を行えるデザイナーの数は少ない。その理由は、デジタルデザイン教育の難しさにある。
 デジタルデザインの教育が行いにくい原因の一つは、CADソフトウェアのインターフェース設計にある。既存のデザイン用ソフトウェアは豊富な機能を備えている反面、操作方法が非常に複雑である。そのため、デジタルデザイン初心者はソフトウェアの操作方法の習得に時間と労力を費やし、肝心のデザイン作業に集中することができない。
  そこで、本ソフトウェアは「機能をデジタルデザイン初心者に必要なものだけに限定し、それを使いやすく覚えやすいインターフェースで提供する」というコンセプトに基づいて開発された。本ソフトウェアを用いることにより、デジタルデザイン初心者は操作方法等の習得に時間を割かれることなく、デザイン作業に集中することが可能である。なお、本ソフトウェアは慶応義塾大学環境情報学部における「デジタル基礎意匠」の講義において、2000年度から実際に使用されている。
 


 
 

☆特徴

  本ソフトウェアは以下のような特徴をもつ。

 (1)キーボードによる機能の選択
 従来のデザイン用ソフトウェアでは機能の選択をGUIボタンでマウスクリックするものが主流である。「CABD」は、この機能の選択をキーボードで行えるようにした。選択するキーボードの範囲は、左手でブラインドタッチができるものに限られている。このようなインターフェースの実装によって、右手のマウス操作は描画キャンバスを離れることなく図形の描画、変換に集中することができる。また、色や線の太さの変更もキーボードで選択できるように実装している。
(下図)
 

 (2)ボタン配列
 左手のキーボードの配列も適当に配置しているわけではない。左手で押すキーはパネルを変更するTABキーを除いて4行4列あり、行ごとに類似した機能を集めている。(下図)
 




 (3)操作ガイドの提示
 ユーザが次に何をするべきか、または今の状態で何ができるかを表示する操作ガイドをキャンバスの左側中央に設けた。また、正確なドローイングが行えるために、図形の情報(始点・終点の座標、円の半径等)や変換パラメータ(移動距離等)が描画中、図形変換中に表示される。



 


 

☆動作環境

 本ソフトウェアは、以下の環境で実行可能であることが確認されている。
 
 

OS           Windows95
CPU         Pentium 166MHz
RAM        80MB(SDRAM)
HDD        2GB
解像度      800x600,256色
実行環境  Java Runtime Environment(JRE)version 1.2.1