コンセプト

この研究のコンセプト

高齢化社会に向けて

 情報化社会が進む中で、生活とコンピュータは密接な関係を持つようになってきている。しかし、熟年者にはコンピュータに恐怖心を持つ人が多い。
ビデオの予約、銀行のATM等を使えない人は以外に多いのである。このような熟年者に対して「ゲーム」を通してコンピュータに慣れてもらう、恐怖心
を無くしてもらおうというのがこの研究のテーマである。

ゲームとしておもしろいこと

 世の中にはすでに、「教育ゲーム」と呼ばれるソフトウエアがある。しかし、やってみるとそれらのソフトウエアはいかにも「教育」要素たっぷりで、ゲ
ームおもしろいものは皆無といって良い。それでは、すぐに飽きてしまうし、まずやってくれないと我々は考えた。そして、今回のソフトウエアはとにか
く「ゲーム」として楽しめるものを目指した。

熟年向けのインターフェースを探る

 まず、ゲームのコンセプトを考える際に熟年者が退かないよう、ファンタジーやSFなどは避け、身近なテーマにするように心がけ、主人公は「熟年
者」にした。画面レイアウトに関しても「文字は大きい方がよい」仮説をたてて試作し、実証実験でのアンケート調査をもとに熟年の意見を採り入れて
手直しをした。その他入力デバイスもいろいろ試すなど、よりよい熟年向けのインターフェースを探った。

ゲームのコンセプト

ゲームのタイトルは「めんそ〜れ沖縄 〜長寿探しの旅〜」である。

 このゲームは、熟年でも身近で取り組みやすいことを考慮した結果「旅」をテーマとした。また、熟年に感心のあることの調査を行った結果「健康」
「長寿」などが上位にあったため、旅行先に日本一長寿の県である沖縄を選んだ。沖縄独特の文化の中から長寿の秘訣を探しだすことを目的にする
ことで、普段の生活の中でも健康 に気を使ってくれるようになることをねらいとしている。また、調査の結果、熟年者は「ボケ」を一番恐れていることが
わかった。その原因の一つとして、変化がなく、刺激のない生活があげられるのだろうかと考え、擬似的にでも旅を験することによって、日常から解放
された気分を味わって欲しいというねらいもこめた。