テクニカルライティング ●皆さんの課題の講評 ・水野さん 目標規定文・主題がよくかけてる 目標規定文は文章のミニチュア版になっている必要がある 後の文章の基準になるべきものだから そういう風になっているものが少なかった 水野さんのはそういうふうになっている 何をどんな順番で書くのかがわかりやすい 目標規定文の中で動詞が4つならんでいる 何をどの順番で書くかがダイジェストされている 非常に具体的にで分かりやすい 特に何をの部分をきちんと具体的に書いている 主題が目標規定文に内容のフォーカスを与えている 秘訣はKJ図にある カードが細かく、情報量が十分 概念の整理もされている KJ法の段階できちんとできている人は目標規定文や主題がきちんと書かれているという傾向 アウトラインも良かった 粒度を細かくすればするほど長くなっていくし、長くできてしまう 水野さんのはちょうど良い粒度だった この程度の粒度だったら書き出しやすいのではないか 並び方もしっかりできている 少しだけ問題点 KJ法について カードの中に一文で終わっていないカードがある 2文になってしまっている文がある KJ法をやる上で、1カード1センテンスが基準 同じカード上の文が分離する可能性があるから 配置が直線的で、きれいすぎる きれいに並んでいるということは、自分の予め持っていたストーリーをもとに配置を行ったということ ※KJ法の意味 自分で気がつかなかったことに気がつく、あるいはもっとベターな配置を探す、ということ 先入観は一度排除すべき 配置が少し恣意的すぎるという印象をうける あまりにアナーキーな配置をしていくと、非常に大変なのは分かるが、今は労力をさいてください 序論に関しては、まだ混乱が見えた 序論が大事だということに気がついたことは重要 ただ、まだその書き方が出来上がっていない いろいろ見えたが、そこで終わってしまっているという感じ ※序論と結論の量的割合にセオリーはない ただ、目安として、(あくまで経験の範囲ですが) 7000〜12000字の文章の場合 序論にあてる文章の字数は、少なくて1000〜2000字程度 結論については、本論で述べたことを要約して、課題について触れる程度なので、800〜1200字 研究報告、レポートなどの類に文章では、妥当な線でしょう 全体的に良かったのは、KJ法が一番でしょう それが全てに現れているという感じだった ・徳永さん KJ法について カードの数、カードの記述の内容から見て、よくできてる KJ法のどの段階が苦しかった? →カードを書くこと →カードを区別すること →ジャンルごとにつくっていった →後で再検討した感じ 発見したこととかは? →ここまでつながるとは思わなかった →付け足すかんじでつくっていけた 書きたいことのパーツの関連を考える作業を図解で行うことは、結局早く良い関連が発見できるという意味で文章よりもよいと思う 文章は縦にしか書けない アウトラインについて きれいに、シンプルにまとまっている 目標規定文について 抽象度が高い表現になっているのが気になる 水野さんのよりも一段抽象度が高い それぞれのキーワードのインスタンスが欲しい 世界情勢とは? 経済政動向のバックグラウンドとは? 経済政策とは? だけど、本文ではきちんと具体化されている 目標規定文は具体的に書くほうがよい 抽象度が高いと含みが多くなり、解釈のゆれが大きくなる タイトな方が、実用的 文章を切り落とす際に便利 2章は少し漠然としている ひとつの節として区切るには大きすぎる ※序論、本論、結論は思考の段階のための枠組み 実際に文章を書く上で厳密にこれを守る必要はない →本論が3章からなっていてもよい →「本論」という節をつくる必要はない 2−1は、問題提起 2−2は原因と書かれているが、よくみると解決も書かれている 「原因と、とりうる解決策」とした方が良い 2−3は考察と書いてあるが提案をしている 考えるだけでなくて積極的に提案する それを主張するタイトルにすべき 十分な情報量があるが、十分に絞り込めていないという印象を受けた 誤読せずにすんだ 目標規定文を書く際に留意しなくてはいけない点は、動詞 自分は文章の中で何を行うか ・牧野さんの目標規定文 KJ法は非常によくできている カードが少な目の印象はうけるが良くできている しかし目標規定文に問題 文章の中で、〜をする、という叙述語は2つしかない ・説明する ・提案する バランスの悪さ 説明する内容は濃厚であるにも関わらず、提案する内容はそっけない 説明する対象は何かが不明確 読むのが困難 ではどのように整理できるか?(私なりの解釈) @ 滞在時に得た情報、文献で得た情報と事例を通して、〜 を説明する ・途上国ではいまだにマラリアが流行していること ・その背景には 〜 など先進国でよく知られた要因のほかに、治療薬に対する予算が少ないために69年間開発されていないこと ・ 〜 という派生問題が生まれている A 科学研究の方向性をレビューして、我々ができる国際支援活動を提案する このレベルで意識して書いてください これがそのまま章になったりする 論文のフォーカスが明確になる 文を書くにあたって意識することが書き出さないと分からないのはおかしい 分量の調節など、編集作業も合わせて行ってしまってもよい 重文・複文のつくりかた 「〜こと、」で区切ると良い 修飾語のつき方が唐突だった 文章を書くというレベルになると明らかにまずい 文の形を厳密に考えていってください 修飾語が何を説明しているのか、何にかかっているのか? 何人かの人の目標規定文において見られた フォーカスがよく意識されていないものが目立った それでも牧野さんのは良い部類であった アウトラインはきちんとしていた 目標規定文がきちんと書かれていないのに、アウトラインがそれなりに書けてしまうのは、自分の中に暗黙のうちにストーリーが出来上がってしまっているから ●まとめ KJ法は発見するためにやること 気がついていなかった考え、意識していなかった考えを探す 他人の目で自分を見直す このようにして文章のクオリティをあげる 分かっているとおりに並べてKJ法をやるのは無駄 よくできている人の感想は、大変という感想が多い 苦労して当然 ここで苦労することが、良い文章を書く上での近道 KJ法をおろそかにしないでください 目標規定文は文を作るうえでのガイドになるものでなければならない 具体性を持つ フォーカスを定める 何をどの順番でやるのかを把握できるようにつくる 目標規定文がきちんとできていて、KJ法で十分な情報がでていれば、アウトラインはそれなりができる アウトラインは文章を書く上で必須 アウトラインなしで文章を書くのはほぼ不可能 あるのとないので文章のできはぜんぜん変わってくる ・価値のある文書をつくるために <配布資料> テーマを選ぶときにひとつだけ考える 自身の中だけで消費される文はかかない ある程度公にされる文を書くことがお約束 公に出す価値のある文章とは? この教室では、有用性のある文章をつくるのがお約束 有用な情報を伝達することが目的 ・共有可能 ・新しさ独自性 ・コミュニティーへの貢献 文章をつくる段階でこれを目指してください 文章の価値は読み手が決める ●課題が出ます