テクニカルライティング ●文章の構造化の規則 部→章→節→項 1000字程度の場合は「節」が最上位階層。 20から30ページくらいの場合は「章」。 100ページこえるくらいになって初めて「部」。 というのが文章構造の一般的なお約束 ●段落・パラグラフについて いい文章を作るうえでの非常に重要なテーマとなる →今日のお題 パラグラフを意識的に構成することが大事 ここには原理、約束がある 欧米で作文教育を受けた人はわかると思う 国語では、小説のような文芸作品を引き合いに出して説明されることが多い なんとなく、内容の切れ目という説明 論文や報告書の類の文章を書くにあたり、なんとなく内容の切れ目でパラグラフを 分けるのではだめ 段落・パラグラフの定義→木下是雄の文献 「文章の一区切りで、内容的に連結されたいくつかの文から成り、全体としてある ひとつの話題について、一つのこと(考え)を言う(記述する、主張する)もので ある」 重要な点 ・全体としてあるひとつの話題 ・それに対してひとつのことを言う 複数のことを言っていると受け取られるようなパラグラフは悪いパラグラフ このようなパラグラフをどうやって書く? <配布資料1> トピックセンテンス ・そのパラグラフで言いたいことを一文に集約したもの ・ひとつのパラグラフの中にひとつ (例外的に、熟練者は分けることもある) ・これをもっていないパラグラフはあってはいけない→悪文 ・役割 (読み手のメリット)そのパラグラフの全体像が明らかになる →パラグラフの拾い読みが可能になる →中身をよく読まなくても内容が分かる (書き手のメリット)パラグラフの内容が限定される →これがないとパラグラフの内容が拡散してしまうおそれがある 展開部 ・トピックセンテンスを噛み砕く 締めくくり文 ・言いたいことの再確認 ・ある場合とない場合がある <配布資料2> トピックセンテンスはとにかく冒頭におきましょう。 →まずこれができるようになることが重要 →トピックセンテンスを冒頭に置かない高等テクニックはとりあえず考えない 思考の順序からすると、トピックセンテンスは一番最後になる したがって、トピックセンテンスはパラグラフの一番最後に書きがちになる →一番最後に生まれたトピックセンテンスをパラグラフの一番前にもってくる訓練が必要 ●このような能力を養うにはどうしたらよいか? 身の回りにある現実の文章をとことん読む。 天声人語、社説などはこのような原理原則に従っていない。 →あまり参考にならない 上記の原理原則を頭にとめて、論文や雑誌など、ひたすら読む。 そして見比べてみてください。 実際に書くに当たっては、まねをする。 良い文章を手本に、パラグラフ構成の原理、展開の仕方をまねする。 チェックをしてもらえるような相手がいれば、見てもらう。 特効薬はない。 地道にやっていくことが近道。 ●見出しについて 闇雲につけるのではなく、これについても少し注意して考える。 トピックセンテンスと似たような役割。 個々の節、項、パラグラフなどの内容を集約したもの 経験上、名詞を2つ並べる見出しはなかなかくせもの。 例「SFCと藤沢市」 2つの名詞の間の関係をいかようにもとられてしまうという落とし穴がある。 後の文章を書き出すときに、拡散した文章が出来上がる可能性が高くなる。 このような見出しをつけてはいけないわけではないが、書き手として、気をつけるべき。 この「SFCと藤沢市」あとに何がくるか? あるいはその前に何がくるか? これを考えることによって、限定されてくる。 2つの名詞の間の関係を限定するべき。 見出しを先につくるか、パラグラフが先か? アウトラインを先につくって、中身をつめていくという観点から、見出しが先かもしれない。 しかし、内容によってフィードバックをするべき。 見出し同士の関係に注意。 文章の階層構造を意識する。 節の見出しは、項の見出しを包括するようなものである必要がある。 逆に言えば、項の見出しは節の見出しを特化したものとなる。 →階層構造の中で、抽象と具象の関係を意識する この意識が希薄だと、文章の見通しが立てにくい。 物事をカテゴライズすることは、人間の知的活動の根本。 カテゴライズを記述することにより、定着させる。 この場では、文章を書く中で、構造的なカテゴライズの仕方を覚える ※※みなさんにお渡しした前回のレポートに対するコメントについて※※ コメントの項目は左から、 ・ミッションの確定 ・分析項目の提案 ・分析作業 ・作業課題の割り出し ・総評