テクニカルライティング(2003/10/20) ミッションを満足する文章を作成する上で必要な作業課題を識別する 「分析」という工程について。 今日は講義およびディスカッション 2枚の配布資料 ミッションとは:その文章を作成する上での目的 提出することによって ・相手から○○を得る ・相手に○○させる ・相手と○○な関係を築く ・文章作成作業を通じて○○についての準備を行う ミッションは文章を書き出す起点。 それを最初につくる必要がある。 しかしミッションだけでは文章は書けない。 作業課題を定める必要がある。 作業課題とは何か? → 文章を完成させるために、 ミッションを成功させるために、自分がしなければならない事柄 ひとつとは限らない。いくつかの複数の課題が出てくるはず。 むしろ出さなければならない。 作業課題にはプライオリティという考え方が必要。 作業課題の例: 1)・・にインタビューする 2)・・の文献を調査する 3)・・を試してみる       などなど 作業課題は、思いついた順に取り組んでいけない。 ミッションを成功させるためにはまず何をしなければならないかを考える。 また、持ってるリソース(体力、時間、リソースなど)は限られている。 これらを考慮したうえで、優先順位を定める必要がある。 ■「粒度」という発想 作業課題は細かくしようとすればいくらでも細かくなる 例) ・・の文献を・・までに持ってこなければならない そのためには・・ そのためには・・ そのためには・・ そのためには・・・ ・・・・ 定義の荒さを定めなければならない。 A46枚から8枚の文章を書くと考えると、作業課題の粒度は2段階くらいまでが目処。 ■作業課題の出し方 作業課題はミッションからぽんぽんと出すことはできる。 しかしそれはやらない。 今回はきちんと分析します。 何をどう分析するかを考えます。 きちんと分析することにより、適切な作業課題が導き出される。 去年はこの指針を全て提示し、それについて説明した しかし今回は、みなさんの頭の中に文章のプロダクションのシステムを作り上げて欲しい。 伝達よりも、自分の頭で考えるほうが良い。 提示しても、それが自分にフィットしなくては仕方がない。 私と同じにならなくてもよい。 ■分析の話 いきなり考えるのはむずいよね 一般的な意味で分析って何? 整理してみます。 分けるという字が分析という行為の意味を物語っている。 「分析」とは? →ある物事(自分が見ようとする物事)を分解/分割する →プリミティブな意味 割ることを通して、その物事を成立させる要素(側面、成分)を明らかにする。 なんとなく状況があるだけではだめで、状況を分けていくことで、把握していく。 全体を全体のままにしておかない。 じゃあ分析の反対概念は何?→「統合」 割っただけでは意味がない。 それを整理・統合しなければならない。 自分は今分析しているのか、統合しているのかを認識すると、物事をうまく考えることができる。 ■作業課題を割り出すための分析 我々は何を対象に分析しなければならないのか。 文章が書かれて相手に伝わって・・相手が・・して・・・ ミッションが何を含むのかを分析する。 まず何をするか? →分析のドメイン(領域)を設定する →その中にあるものが分析の対象になる そしてそのドメインについて、着眼点を設定する。 →分析項目を設定する ドメインを設定 →ここでやります(ある程度結論を出してもらいます) 分析項目を設定 →みなさんに考えてもらいます 文章によって伝達が行われる状況を図式化する。 その中で、関心領域を区切っていく。 文章によって伝達が行われる状況とは? 登場するもの、人物にはなにがある? 和田さん: 新聞による伝達での具体例。 新聞  →  読者   (出来事) ここから以下の枠組みが導出できます。 文書  →  読者  内容 以降、ここに足していってみましょう。 田村さん: 紙などの媒体 谷本さん: 書き手 三木さん: 書き手と読者の共通認識(無形) レポートを書くという状況を考えて見ましょう 書き手、読み手のほかに、誰か人がいるでしょう? レポートを皆さんは自発的に書きますか? 小松さん: レポートを要求する人(発注者) 発注者が読み手と同じこともある。 和田さん: 回収する人はどうか? これまでの作業を、モデル化という。 「モデル化」とは? 具体から目的に応じて必要な性質を抽象する。 それを描いたもの。 いろんな具体例の中から、レポートを書くという目的において抽象した。 具体的なもののどの側面を見るか。 非常に恣意的な見方をする。 自分なりのモデルを作れるようになってください。 分析のドメインを設定しましょう。 恣意的に決める。目的に応じて必要な範囲で決める。 先のモデルから、単純に6個のドメインが識別できる。 または、いくつかを合わせてもっと少ない数で識別することもできる。 見方の問題。 今回は、人を中心として2つのドメインに分けてみましょう。 ・書き手中心のドメイン ・要求者のドメイン 一番文章を左右する要素:要求 書き手のドメインでは、媒体が重要になる。 物理的なファクターが大きく影響する。 @「自己分析」:書き手のドメインを分析する テーマについてどれだけ習熟しているか 自分が必要なものを持っているか A「要求分析」:要求者のドメインを分析する どのようなことが要求されているか 共通認識や内容というのは、分析の結果であり、対象にはならない。 <自習> 自己分析、要求分析において、どんな分析項目が必要だと思いますか? 来週は私の考える分析項目を挙げます。 <課題> ・分析項目に関する提案 黒板の表自体の提案 ドメイン識別の理由、項目を挙げた理由などを必ず。 ・期末レポートに関する準備段階の仮作業 テーマを確定しなくても良い。 以下の作業をとりあえずやってみる 1、ミッションを確定する 2、上で提案した分析項目を用いた分析する 3、分析によって割り出された作業課題を列挙