テクニカルライティング(2003/10/06) ●文章についてどんなことを勉強してきたか? ・小林さん  文章について明確に習ったことはない。  文章が支離滅裂にならないように注意している。  推敲を重ねる。 ・北口さん  最初と最後の文章の流れが合うように  最後に何をいいたいのかを整理してから書く  塾で習った ・沓澤さん  習ったことはない  国語の時間に問題のとき方を教わったくらい  はじめと最後に自分のいいたいことを書く  このくらいは学校でならった気がする ・馬場さん  特に習ったことはない  自分書いた文章を何度も読み直す(推敲をきちんとする)  推敲の時間は10分 この授業では文章を作る際の段取りの雛形を提示します。 自分用にカスタマイズして活用してください。 何をする際にもここに帰ってきましょう。 「この文章のミッションは何か?」 文章には必ずミッションが託されている。 そのためにはなにをなすべきかという考えをもって文章作成に取り組んでください。 ミッション→軍隊用語 戦略的に文章をつくる ・戦略  期間とミッションがあるその中で手持ちのリソースを使いながらどうやって達成するかについての計画 ・戦術(具体的なオペレーション)  どんな方法で戦略の部分部分を実現していくか 2枚の配布資料について ●この文章はどのようなミッションを持っているか? ・蒲田さん  「タッチタイピング」について  普及、知識、利点、難しくはない、実際のやりかた、行っていく上での留意点、といっ  たことがかかれてた ・田村さん  「タッチタイピング」について  タッチタイピングを推奨する文章  まだタッチタイピングを会得していない人たちに対して普及させていくというミッショ  ン ・遠藤さん  「KJ法」について  アイディアを発想するときにこの方法を使うとよい ・和田さん  「タッチタイピング」について  初心者か全く知らない人に向けて入門の手引きというミッション  「KJ法」について  全く知らないひとのために発信するというミッション 今年始まった情報という教科がある。 その教師用の指導書の中にある用語解説として書かれた文書。 情報という教科を持つ先生に向けて、タッチタイピングおよびKJ法の存在を知らしめると ともに、普及させるよう促すような文章というミッションを設定した。 先生がその気になるようなひとつの材料になるように書いた。 次のような背景がある。 今年始まったばかりの科目だから、先生は困惑している。 ほっておくとコンピュータ教室になってしまう。 我々(その道の研究者)としてはそれじゃ困る。 情報という教科の中身を広く見て欲しい あまり目をむけないだろう部分を意識させるために書いた。 このようなやり方で「ディベート」についても書いた。 そういったミッションを成功させるために文章を組んだ。 ■次の配布資料について 先の文章を書くためにつくった本物のメモ。 骨組を先に作ってから文章を書いたということ。 ○「KJ法」について 情報の教科の中で扱われるという例がない 先生たちは名前すら知らないかも しかしこれはいいものである 知識が網羅されつつ、実践できそうな内容を組まなきゃいけない 知的好奇心をくすぐるようなところを盛り込み、面白いと思ってもらいたい ・最初の2パラグラフ オーバービュー 1個目の段落は、発想法の一つであるといってある 多分みんな発想法を知らない 発想法は情報教育の中で大事であるということを説明 →モチベーション付け KJ法とは何かを説明するには、どうしても発想法という前提に触れなければならない。 ・次のパラグラフ KJ法は作業なので、これはできそうだということを説明したい。 手がかりを説明したかった。 手順化して、箇条書きにすると良い。 そうすると読んでくれる。 視覚的にも手順であるということがわかる。 パラグラフでやっていくと、読みずらい。 ・後半 KJ法は面白いという方向にもっていく。 つかみは第3段階が重要というところから。 骨組みの中では「KJ法の本質」という項目。 「直感」という言葉を使っている。 「直感」という言葉が面白いと思ってもらうためには重要だと思った。 ・最後の2パラグラフ 一人だけじゃなく、共同作業に使える。 発展性を示して終わる。 最初に全体像をつかませてしまう。 読む人の印象として、後半の話は重要ではあるが、いきなりやると話として唐突で、読み 手がひいてしまうかもしれない。 最初は客観的でフラットな話がよい。 徐々にこちらの主観に誘い込んでいく。 情報教育との関係性を先に出してしまうことで、「まじめ」な情報教育者を引き込む。 読む人のニーズにあわす。 このような発想をもって文章をつくるという習慣をつけましょう。 具体的な戦術は今後の授業でやっていきます。 ○「タッチタイピング」について 知ってはいるが抵抗感があるという人がいる。 こういう人たちはタッチタイピングに対して難しいというイメージを持っている。 しかしこれは誤解であるということを感じてもらいたい なかなかの出来栄え。 パラグラフの最初の一文を読むだけで意味が分かってしまう。 わかりやすくかけている。 徐々に読者を誘導する。 最後に提示したURLにアクセスさせることが勝負 みなさんがこのような文章を書くとしたらどうなるか、考えてみてください。 ミッションを作成するにはどんなことに留意しなくてはならないかを考えてみてください。 (宿題ではないですが) メールでの質問は随時受け付けます。 但し、メールを書くこと自体も、テクニカルライティングを意識してください。 戦略的にお願いします。 参考文献を紹介します。 完読したわけではないが、良いはずです。 「理系発想の文章術」、講談社現代新書、三木光範